画像認識技術を応用した、薬剤の一包化監査支援システムを発売:医療機器ニュース
富士フイルムは、服用のタイミングごとにまとめて一包化した薬剤の名称と数量を自動的に判定する、一包化監査支援システム「PROOFIT 1D」を発売した。撮影した画像から、各錠剤の刻印や文字、カプセル剤の色・形などを高速・高精度に読み取る。
富士フイルムは2019年1月11日、服用のタイミングごとにまとめて一包化した薬剤の名称と数量を自動的に判定する、一包化監査支援システム「PROOFIT 1D(プルーフィット ワンドース)」を発売した。調剤薬局などで、薬剤師の監査業務を支援する。機器本体システム一式の価格は1000万円で、富士フイルム富山化学機器を通じて販売する。
同システムでは、高度な光学設計技術や画像処理技術を活用し、錠剤やカプセル剤の高画質撮影を行う。この画像から、独自の画像認識技術を用いて、各錠剤の刻印や文字、カプセル剤の色・形などを高速・高精度に読み取る。読み取り速度は約2秒/包で、一包内で最大25種25錠まで読み取れる。
また、錠剤の刻印や文字の抽出技術を新たに開発。錠剤の表裏や刻印の向きをそろえた、一包化された薬剤の一覧表示が可能となった。錠剤が立っていたり、重なっていた場合には、自動でならし機能が発動して錠剤を散らすことができる。刻印を強調表示する機能も搭載し、薬剤師が監査しやすい情報をモニター上で表示する。
監査に使用した画像は、専用PCに50万包分保存できる。これにより、いつでも処方した薬剤を検索して画像で確認でき、効率的な履歴管理が可能だ。さらに、薬剤の名称判定のために参照する医薬品のマスターデータを、専用回線を通じて自動的に更新する。新しい医薬品の監査業務に対応する他、システムの維持管理にかかる業務負担の軽減につながる。
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