一包化された薬剤の名称と数量を自動的に判定するシステム:医療機器ニュース
富士フイルムは、服用するタイミングごとにまとめて一包化された錠剤やカプセル剤を高精度に読み取り、それぞれの薬剤の名称と数量を自動的に判定する一包化監査支援システム「PROOFIT 1D」を開発した。
富士フイルムは2018年9月20日、服用するタイミングごとにまとめて一包化された錠剤やカプセル剤を高精度に読み取り、それぞれの薬剤の名称と数量を自動的に判定する一包化監査支援システム「PROOFIT 1D(プルーフィット ワンドース)」を開発したと発表した。調剤薬局などでの薬剤師の監査業務を支援する。今冬の発売を予定している。
PROOFIT 1Dでは、同社の光学設計技術や画像処理技術を活用し、錠剤やカプセル剤の高画質撮影を可能にした。独自の画像認識技術を採用しており、一包化された薬剤の名称と数量を自動的に判定できる。
錠剤の刻印や文字の高精度抽出技術も開発し、錠剤の表裏や刻印の向きをそろえた一覧表示が可能となった。刻印を強調表示できる機能も搭載しているため、モニター画面上で薬剤師が監査しやすい。錠剤が立っていたり、重なっていたりすると判断された場合には、自動ならし機能が発動し、錠剤を散らす。
錠剤については、刻印、文字、形、サイズによって、カプセルについては、形、色、サイズによって処方箋マスターと照合する。写真撮影による異物の検出も可能だ。一包内の最大数は25種25錠までで、読み取り速度は、同社規定の標準処方読み取り時で約2秒/包となっている。
また、監査に使用した画像を専用PCに50万包分保存が可能だ。いつでも画像を検索して確認できるため、履歴管理を効率的にできる。
専用回線によるセキュアな通信機能も搭載しており、アプリケーションの更新、薬剤の情報を参照するための画像マスターの登録・更新作業を自動的に実施する。これにより、システムの維持管理にかかる業務負担を軽減できる。
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