1回分の複数の薬を自動でカップにおまとめ、服薬ミス防止や介護の負担軽減へ:医療機器ニュース
凸版印刷は、複数の処方箋薬を専用カップに自動充填するトータルパッケージサービス「メディケアイージー」の提供を開始した。服薬ミスの防止や介護現場での業務効率化に貢献する。
凸版印刷は2018年3月14日、個人あるいは服薬時間ごとに、複数の処方箋薬を専用カップに自動充填(じゅうてん)するトータルパッケージサービス「メディケアイージー」の提供を開始した。同社では、このサービスを調剤薬局向けに拡販し、2019年度に約5億円の売り上げを目指す。
メディケアイージーでは、独自開発の分包機「メディケアイージー・分包システム」を活用。調剤薬局において、個人ごと、服薬時間ごとに複数の薬を小型の専用カップに自動で一包化し、密封充填する。さらに、分包した処方箋薬を専用の保管箱で保管・輸送する。
カップに薬を直接充填するため衛生的で、ふたをヒートシールで密封することで改ざん防止も可能だ。カップのふたには、施設や服薬者ごとのカスタマイズ印刷ができる。
薬を充填したカップは1枚のシート状につながっており、それらをその状態で収納する「メディケアイージー・ボックス」に入れて、薬剤師が利用施設まで搬送する。搬送後はそのまま薬庫で保管できるため、詰め替え作業が不要になる。
また、処方箋薬があらかじめ個別に分包されており、介護現場での誤薬を防止し、業務効率化にもつながる。薬を充填する専用カップ「メディケアイージー・カップ」は、従来の袋状のパッケージとは異なり、カップから直接飲めるため、薬を落としてしまうといった問題も減る。1カップずつ切り離して使用することで、渡し忘れや飲み忘れを防ぐ効果も期待できる。パッケージにバーコードを印刷すれば、データ照合による誤薬防止チェックも可能だ。
同社では今後、在宅介護での利用も想定し、サービスの拡充を進めていく。
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