日産が自動車向けにデジタルツインを構築、見えないものを可視化:CES2019
日産自動車は2019年1月3日、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2019」(2019年1月8〜11日、米国ネバダ州ラスベガス)において、将来のコネクテッドカー技術「Invisible-to-Visible(I2V)」を出展すると発表した。
日産自動車は2019年1月3日、消費者向けエレクトロニクス展示会「CES 2019」(2019年1月8〜11日、米国ネバダ州ラスベガス)において、将来のコネクテッドカー技術「Invisible-to-Visible(I2V)」を出展すると発表した。ドライバー向けにデジタルツインの環境をつくり、クルマからは見えない範囲の情報を可視化することにより、運転をより快適に、安心して楽しめるようにする。CES 2019の会場ではI2Vを体験できるデモンストレーションを実施する。
I2Vは交通環境や車内の環境、車両の周囲に関する情報を活用する。交通環境については「SAM(Seamless Autonomous Mobility)」から、車両の周囲の情報は運転支援システム「プロパイロット」から得て「Omni-Sensing(オムニ・センシング)」という技術で統合する。
ドライバーや自動運転システムのAI(人工知能)に向けて、I2Vは道路状況や交差点の見通し、道路標識、道路を横断しようとしている近くの歩行者など、さまざまな情報を提供する。渋滞や移動時間の予測や、駐車スペースの空き情報の提示も行う。また、車室内の乗員の状況を把握し、必要なサポートを予測して何かを探したり休憩を勧めたりする。
I2Vが使う情報は「メタバース(仮想世界)」に蓄積する。I2Vはメタバースにあるさまざまな情報を、人間やAIが分かりやすいように示す役割を担う。メタバースは、人々が自由に交流できる仮想世界にもつながり、ドライバーや乗員を仮想世界で活動する人々とつなげることも可能だとしている。AR(拡張現実)のアバターとして車内に現れ、ドライブに同乗したり、運転をサポートしたりする。
関連記事
- いまさら聞けない「デジタルツイン」
デジタルツインというキーワードを、IoT活用やデジタル変革(DX)の流れの中で耳にする機会が多くなった。デジタルツインとは何か? について「5分」で理解できるよう簡単に分かりやすく解説する。 - コンチ日産など6社のセルラーV2X実証実験が終了、5Gに向けて有効性を確認
コンチネンタル(Continental)は2018年12月13日、エリクソンや日産自動車、NTTドコモ、OKI、クアルコム(Qualcomm Technologies)とともに行った実証実験により、周波数5.8GHz帯の車車間(V2V)、路車間(V2I)、歩車間(V2P)通信「セルラーV2X(C-V2X)」の有効性を確認できたと発表した。 - 自動運転車が判断できない場面はマネジャーが指導? NASAと組んだ日産の成果とは
自動運転車が状況判断するために“マネジャー”をつける――。民生機器テクノロジーの展示会「CES 2017」の基調講演に、日産自動車 会長兼最高経営責任者(CEO)のカルロス・ゴーン氏が登壇。ゼロエミッションとゼロフェイタリティ(交通事故による死傷者数ゼロ)に向けた取り組みの成果を語った。 - 日産のビジョンを具現化――完全自動運転EV「ニッサン IMx」
日産自動車が「東京モーターショー2017」で、完全自動運転(レベル5)のコンセプトEV「ニッサン IMx」を世界初公開。着々と実現に向かっている同社のビジョン「ニッサン インテリジェント モビリティ」を具現化するクルマだ。 - 自動運転車でみなとみらい巡り、配車サービスは「地域との協力が不可欠」
日産自動車とディー・エヌ・エー(DeNA)が、自動運転車による配車サービス「Easy Ride(イージーライド)」の実証実験の方針や実験車両を披露した。 - V2Xはいかにあるべきか、トヨタは北米もDSRC、5GAAはセルラーの優位性を強調
高度な自動運転の実現や、センサーでは認知しきれない範囲の危険を回避するため、V2Xの重要度が増している。しかし、自動車業界は携帯電話の通信網を使うか、境域通信を用いるかで2つに分かれている。各社の最新の取り組みをまとめた。 - シリコン負極のベンチャーにルノー日産三菱が出資、1分で80km分の充電を実現
ルノー・日産自動車・三菱自動車が運営するベンチャーキャピタルファンド「アライアンス・ベンチャーズ」は2018年11月13日、リチウムイオンバッテリーの電極技術を開発する米国カリフォルニア州のENEVATE(エネベート)に投資を行ったと発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.