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離陸する航空機電動化の時代――この転換期に日本製造業は飛翔できるかモノづくり最前線レポート(4/4 ページ)

航空需要が飛躍的に高まる中、航空産業が排出する地球温暖化ガス削減は急務だ。また、空飛ぶクルマといった新たなモビリティも具現化しつつある。これらの実現を支える航空機電動化技術は日本製造業を大きく成長させる起爆剤となりえる。

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航空機電動化で日本製造業は飛躍できるか

 2018年7月のECLAIRコンソーシアム発足時、西沢氏は「日本の電機産業はパワーエレクトロニクスの個別要素に長けているが、航空機電動化の分野に関しては協業やビジネス展開に遅れがある。また、航空産業も単独で競争的な技術開発は困難だ。しかし、まだ実用化が見えない領域なので国内企業にも参入チャンスがある」と語っていた。

 政府は2018年12月、空飛ぶクルマを用いた輸送サービスを2023年から開始する方針を取りまとめた。小型VTOL機の開発競争は大手メーカーやベンチャー企業を問わず世界で激化しているが、同市場は民間航空機の完成機分野進出で出遅れている日本勢にとって挽回のチャンスでもある。その開発競争の中でも特に推進系の電動化技術は大きな差別化要因となる。

 西沢氏は、「今まで航空機電動化を実現するビジョンとロードマップの策定に注力してきた。これからは技術開発に目を向け、コンソーシアムの会員とともにグループ一丸となって航空機電動化を進めていく」と語った。2016年時点に1.7兆円規模だった国内航空機産業市場を、今後大幅に拡大する可能性を秘める航空機電動化。それは、日本の製造業にとってさらなる飛翔を生み出すかもしれない。

左:世界の航空機市場 右:電動化技術で国内航空産業のすそ野を拡大する目標を立てる(クリックで拡大) 出典:航空機電動化コンソーシアム

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