道具だからこそ、2018年は商用車が大きく動いた
「ひえー、1万トンプレスですか」。商用車についてちゃんと取材した最初の頃の思い出は、いすゞ系部品メーカーのインタビューでした。その会社で聞いたのは、老朽化した設備の更新を機に、1万トンを超えるプレス機を導入して、加工を効率化するというお話でした。老朽化設備の保守にかかっていた人手を有効活用したり、歩留まりを向上したりするとのことです。1万トンのプレス機を自動車部品メーカーが使うのは、とても珍しいとも教えていただきました。
当時は、商用車のスケールの大きさばかりが印象に残りました。そんなインタビューから、もう4年。2018年は、別の面で商用車が印象的でした。それは、乗用車と商用車の技術は単純な延長線上にはなく、商用車の方が先行する部分もあるという点です。
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