リコール114万台に及んだ完成検査問題、サイドミラーなしのクルマがついに市販:オートモーティブ 年間ランキング2018(3/3 ページ)
MONOistのオートモーティブフォーラムで2018年に公開された記事の中から、年間ページビュー(PV)のトップ10を振り返ります。
「買う」以外のクルマとの付き合い方は
第3位は、個人間カーシェアリングと、自家用車の維持費軽減に関する調査をまとめた記事でした(※6)。ディー・エヌ・エー(DeNA)が提供する個人間カーシェアサービス「Anyca(エニカ)」が2017年度に利用された車種の維持費軽減率について調査しました。車種ごとの平均的な毎月の維持費を、カーシェアリングの利用料として受け取った金額でどの程度まかなえるか維持費の軽減率として算出した結果、維持費軽減率が最も大きい車種は、トヨタ自動車の「ノア」でした。維持費の98%をカーシェアリングの利用料でまかなえるということでした。
(※6)関連記事:個人間カーシェアで維持費を最大98%まかなえた、有利なのはミニバン
上記の記事で紹介した、自家用車の維持費軽減ランキングの2位は同じくトヨタ自動車の「アルファード」で維持費軽減率は79%、3位はレクサス「RX」が同76%という結果になりました。上位10車種にはミニバンや高級車がランクインし、維持費の50%以上をカーシェアリングの利用料でカバーできることが分かりました。
クルマを使う上で発生する費用をいかに抑えるかという取り組みは、各国で盛んに行われています。DeNAとは対極に位置する、車両を製造、販売する自動車メーカーも積極的です。吉利汽車とVolvo Cars(ボルボ)が共同出資で立ち上げたブランド「Lynk & Co(リンクアンドコー)」や、トヨタ自動車が、個人ユーザーが自動車をサブスクリプション方式で利用できるサービスを開始することを発表しました(※7)。しかし、自動車メーカーのサブスクリプション方式のサービスの中には、値付けや採算の問題から終了したものもあるようです。
(※7)関連記事:吉利とボルボが仕掛ける新ブランド、クルマを「買わずに」「安く」使う / トヨタがクルマを売らない新サービス、「気楽に楽しくクルマと付き合って」
クルマの使い方が今後どのように変わって行くか、使い方の変化に合わせてクルマの作り方やメンテナンスがどう変わるのか、注目が集まります。
関連記事
- トヨタからデンソーへ、HV基幹部品などの生産・開発を移管
トヨタ自動車は主要な電子部品事業をデンソーに集約する検討を始めた。2019年末をめどにトヨタ自動車 広瀬工場が担う電子部品の生産をデンソーに移管する方向で協議している。2022年以降は電子部品の量産開発機能もデンソーに集約する。 - 4年間の開発で当初の企画が時代遅れに、パイオニアが背負った大型受注の開発費
パイオニアは、2018年3月期決算を発表した。売上高は前期比5.5%減の3654億円、営業利益は同71.3%減の11億円、当期純損益は71億円の損失だった。売上高と当期純損益は3期連続、営業利益は4期連続での悪化となる。 - 「トヨタと今まで以上に距離縮める」、デンソーら4社の新会社が担う役割とは
デンソーは2018年10月31日、東京都内で開いた決算説明会において、アイシン精機、アドヴィックス、ジェイテクトと立ち上げる新会社の狙いについて言及した。 - 日立オートモティブは“全方位”を諦めた、選択と集中でクラリオンを手放す
日立製作所は2018年10月26日、東京都内で決算会見を開き、フランスの大手サプライヤーであるフォルシア(Faurecia)にクラリオンを899億円で売却すると正式に発表した。日立グループの自動車ビジネスにおいて、注力事業の選択と集中を進める一環でクラリオンの売却を決めた。 - トヨタが進めるコネクテッドカー“3本の矢”、ソフトバンクとの新会社も矢の1つ
ソフトバンクとトヨタ自動車は2018年10月4日、東京都内で会見を開き、モビリティサービスの基盤を開発、提供する新会社「MONET Technologies」を設立すると発表した。新会社の代表取締役社長兼CEOにはソフトバンク 代表取締役 副社長執行役員兼CTOの宮川潤一氏が就く。出資比率はソフトバンクが50.25%、トヨタ自動車が49.75%となる。資本金は20億円で、将来的に100億円まで増資する。 - 完成検査の一部ルールが法令化、検査実施方法の新たな申請も可能に
国土交通省は2018年10月12日、完成検査の実施方法などを明確化するため自動車型式指定規則の一部改正を実施すると発表した。 - 夜間の歩行者対応自動ブレーキ、「カローラスポーツ」「N-VAN」がJNCAP満点
国土交通省は2018年11月29日、「平成30年度前期自動車アセスメント」の評価結果を発表した。今回から新たに「対歩行者被害軽減ブレーキ(夜間街灯あり)」「ペダル踏み間違い時加速抑制装置」が評価対象に加わった。この2つの新項目において、トヨタ自動車の「カローラスポーツ」は満点を獲得した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.