貿易摩擦や政治リスクが顕在化――2019年の電子情報産業はどうなる?:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
電子情報技術産業協会(JEITA)は2018年12月18日、東京都内で会見を開き、電子情報産業の世界生産見通しを発表するとともに、近年自動車のメガトレンドとなりつつあるCASEで需要が増す車載用ECUやその他注目デバイスについて2030年における世界生産額を予測した。
車載ECUは2030年に市場規模が約2倍へ成長
同時に発表した車載用ECUやその他注目すべき車載デバイスに関する調査では、自動運転レベルがレベル3以上の自動運転車の生産台数が年平均65.8%で増加し、2030年には713万台に達すると見通す。
また、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)、燃料電池車(FCV)などの環境対応車についても年平均20.1%で成長し、2030年には8872万台の生産規模に達する見通し。特に、電気自動車では2030年には2000万台を超え、自動車の世界年間生産台数で15%を占めるまで拡大すると予測している。
これらの見通しに基づき、ECUの市場規模は2017年の9.5兆円から2030年には17.8兆円と約2倍に拡大すると見込む。特に、電動化や省エネと関わるECUは環境対応車の普及によって年平均13.5%で増加し、2030年には2017年の5.2倍に成長する見通しを立てる。
また、JEITAではCASEにおける注目デバイスとして、通信モジュール、カメラモジュール、スマートキー、インバーターなどを挙げる。これらデバイスの生産額は年平均10.8%で増加し、2017年の3.5兆円から2030年には13.3兆円と約4倍の市場規模に成長するとしている。
特に、2030年におけるカメラモジュールの生産台数は2017年比で約5倍、インバーターの生産台数は同比約6倍と、大きな成長が見込まれるとした。
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