変革3年目のCEATEC JAPANが開幕――CEATEC AWARD大臣賞は京セラとエアロネクスト:CEATEC 2018
「CEATEC JAPAN 2018」は2018年10月16日に開幕。前日となる2018年10月15日には記者発表会とメディア内覧会、レセプションなどが開催され、CEATEC AWARDの各大臣賞などが発表された。
電子情報技術産業協会(JEITA)、情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)の3団体で構成するCEATEC JAPAN実施協議会は、CPS(サイバーフィジカルシステム)/IoT(モノのインターネット)展である「CEATEC JAPAN 2018」(2018年10月16〜19日、幕張メッセ)を開催する。前日となる2018年10月15日には記者発表会とメディア内覧会、レセプションなどが開催され、CEATEC AWARDの各大臣賞などが発表された。
変革3年目を迎えるCEATEC JAPAN
CEATEC JAPANは2000年に「エレクトロニクスショー」と「COM JAPAN」という2つの展示会を統合して誕生。家電を中心としたエレクトロニクスの総合展として隆盛を誇った。ただ、日本の家電産業が低迷する中、家電見本市としての役割の重要性が低下し、2015年には来場者数と出展社数が過去最低に陥るなどした。そこで2016年から展示会の位置付けを変革。従来掲げていた「IT・エレクトロニクス展」から「CPS/IoT展」へと変更し、2017年からは「Society5.0の見本市」としての役割を打ち出した。
これらの変革の成果の中で、従来のITエレクトロニクス産業に限らず、幅広い産業の企業から出展を促した。来場者数や出展社数も右肩上がりに回復。「CEATEC JAPAN 2018」では、ITエレクトロニクス業界はもちろん、金融、旅行、玩具、住宅、工作機械、自動車、建設機械、建築、農業、ヘルスケアなど幅広い業種から出展企業を得ており、出展社数725社(前年は667社)、出典コマ数は1786コマ(前年は1758コマ)と伸張した。さらに新規出展者数は345社となるなど、変革の成果を示した。
CEATEC JAPAN実施協議会 ディレクターの吉田俊氏は「部品や完成品、サービスなど個々のテクノロジーはもちろん重要だが、新たなCEATEC JAPANで表現したかったのはそうした先進のテクノロジーでどういう未来を描きたいのかという点である。それを発信していく」と述べている。
IoTによる変革を町を模して示す「IoT TOWN」や、海外のベンチャーを呼び込む「Co-Creation Park」なども用意し、来場者数は1日平均4万人となる16万人を目指すという。吉田氏は「1日4万人という数字に意味がある。これは過去最高となった2007年に迫る来場者数である。新たな展示会の姿で過去最高を超えたい」と抱負を語っていた※)。
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CEATEC AWARDは京セラとエアロネクストが受賞
こうした動きを政府や団体も支える。開幕前日の同年10月15日に都内で開催されたレセプションでは、CEATEC JAPANを主催する団体の主管省庁のトップが祝辞を述べた。総務大臣の石田真敏氏は「Society5.0は第5の社会を実現する大きなパラダイムシフトである。しかし、それは日本だからこそ必要で実現できるものだ。課題先進国といわれる中で、IoTやAI(人工知能)などのさまざまな技術をあらゆる産業に取り入れて変革していくことが必要になる。政策としてもこの動きを支援していく」と述べた。
さらに経済産業大臣の世耕弘成氏は「家電見本市としてCEATEC JAPANは厳しくなったかもしれないが、ビッグデータ、AI、IoTなどの技術が、新たな役割を生み出している。日本の品質や使いやすさなどの従来の強みとデータを組み合わせることで新しい価値を必ず生み出せる。経済産業省でも日本企業のつながる世界での勝ち筋として『Connected Industries』※)を打ち出している。2019年には日本が議長国を務めるG20があり、日本全体でこのつながる世界の実現に向けて取り組んでいきたい」と述べていた。
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なお、レセプションではCEATEC JAPANに出展された技術や製品の中で優れたものを表彰する「CEATEC AWARD」の最高賞である、各大臣賞が発表された。総務大臣賞は京セラの金属上でもアンテナ特性が低下しない2.4GHz帯の新アンテナ「Amcenna」が受賞した。従来は難しかった機械設備、自動車ボディーなどの金属部分やウェアラブル機器への小型アンテナ設置が可能となるため、IoT分野における通信デバイスのキーテクノロジーとして期待される点が評価を受けたという。
一方、経済産業大臣賞としてはエアロネクストの4D Gravity搭載 360度VR撮影用ドローン「Next VR」が受賞した。搭載部と飛行部を接続する貫通ジンバル構造による独自の制御技術「4D Gravity」により飛行部の傾きなどの動作や姿勢が搭載部に影響しない独立した制御を実現。現行では限界のある産業利用の用途拡大や新市場開拓が期待される点が評価を受けた。
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