柔軟かつマルチプルな生産を実現する新工場、ソディックが石川県に:工場ニュース
ソディックは、石川県の加賀事業所内に建設中だった「マルチファクトリー」が完成したと発表した。事業環境や市場動向が変化する中でも、柔軟かつマルチプルな生産が可能な体制の構築を目指す。
ソディックは2018年11月27日、石川県の加賀事業所内に建設中だった生産工場「マルチファクトリー」が完成したと発表した。建設面積は約1万2500m2、延床面積は約1万6500m2で、総投資額は約32億円。将来的に最大150人の人員増員を予定している。
マルチファクトリーは、事業環境や市場動向が変化する中でも、柔軟かつマルチプルな生産が可能な体制を整えることを目的に建設された。生産品目は放電加工機、マシニングセンタ、金属3Dプリンタ、射出成形機などで、高度で先進的なユーザーカスタマイズマシンの生産を強化する。
セル生産での自動組み立て、IoT(モノのインターネット)を活用した生産や生産管理、在庫管理を行うことで、省人化、作業効率向上を図る。物流センターと隣接しており、簡易移動、出荷効率アップ、納期短縮を目指す。
また、中華圏を中心に高まるハイエンド機へのニーズに対応するため、恒温室、熱変位室などを備えたテストルームを併設。リニアモーター駆動マシンのアドバンテージを強化するため、高精度、超精密な工作機械群のさらなる性能向上、品質向上を図る。
加賀事業所において、製造部の他、工作、産業、食品など各事業部の技術者を多く常駐することで、ユーザーの要求への迅速な対応や、新機種や新機能などの市場への早機投入など、変化の激しい市場環境においても迅速に対応可能な体制を構築していく。さらに、世界同一品質の強化に向けた発信元として、海外工場の生産効率向上、納期短縮にも寄与していくとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 生産性3倍、リードタイムは6分の1、安川電機の新スマート工場が示すもの
安川電機は2018年7月に稼働開始したスマート工場「安川ソリューションファクトリ」を報道陣に公開した。生産スピード3倍、生産リードタイム6分の1、生産性3倍を実現したという同工場の取り組みを紹介する。 - それでも製造業にとって“スマート工場化”が避けては通れない理由
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説していきます。第25回となる今回は「そもそもスマート工場化って必要なの?」という点について考察してみたいと思います。 - スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。 - スマートファクトリーがいよいよ現実解へ、期待される「見える化」の先
ドイツのインダストリー4.0がきっかけとなり関心が高まった、IoTを活用したスマートファクトリー化への動きだが、2017年は現実的成果が期待される1年となりそうだ。既に多くの実証成果が発表されているが、2017年は、実導入ベースでの成功事例が生まれることが期待される。 - いまさら聞けない「マスカスタマイゼーション」
IoT(モノのインターネット)活用などで実現するスマートファクトリーの理想像とされる「マスカスタマイゼーション」。このマスカスタマイゼーションとは何かを5分で分かるように簡単に分かりやすく解説します。 - 古い工場で実現したデジタルツイン、シーメンスが示す“デジタル”の本当の意味
シーメンスの中でも「より現実的なデジタル化」に向けた取り組みをしている工場がある。ドイツのバードノイシュタット工場である。同工場のスマート化への取り組みを紹介する。