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2021年に売上高2兆円、営業利益率9%、ヤマハ発動機らしいソリューションで製造マネジメントニュース

ヤマハ発動機は2018年12月11日、東京都内で記者会見を開き、2019〜2021年の中期経営計画を発表した。「モビリティの変革」「ヤマハらしいソリューション」「ロボティクス活用」を注力領域と位置付け、技術の組み合わせや協業によって、新しい市場や技術の開拓を進める。中計の期間内に、M&Aを含め1400億円の投資の予算を確保した。

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ヤマハ発動機の日高祥博氏

 ヤマハ発動機は2018年12月11日、東京都内で記者会見を開き、2019〜2021年の中期経営計画を発表した。「モビリティの変革」「ヤマハらしいソリューション」「ロボティクス活用」を注力領域と位置付け、技術の組み合わせや協業によって、新しい市場や技術の開拓を進める。中計の期間内に、M&Aを含め1400億円の投資の予算を確保した。

 最終年度に売上高2兆円、営業利益1800億円、営業利益率9.0%を目指す。2018年の業績は売上高1兆6500億円、営業利益1430億円、営業利益率8.7%を見込んでいる。2021年度の売上高目標は、既存事業で3250億円、手掛けるモビリティの領域拡大や金融サービスなどの戦略的成長で250億円を積み増すことで達成する計画だ。

 公表していた四輪の乗用車の開発は、一時凍結とすることも明らかにした。ヤマハ発動機 代表取締役社長の日高祥博氏は「投入する地域や車両のタイプなどを検討してきたが、大量生産には難しさがあった。また、投資の回収も難しいという判断になった。普通の乗用車はいったんフリーズとなるが、複数のタイヤがあるモビリティの開発は今後も続く」とコメントした。

二輪、三輪から低速自動運転へ


ヤマハ発動機の木下拓也氏

 二輪車やRV、電動自転車などが対象となる事業分野「ランドモビリティ」では、中計の最終年度に売上高1兆3500億円、営業利益920億円、営業利益率は6.8%を目指す。今ある能力をアップデートしながら柔軟な経営を行い、モビリティの進化に対応した新領域へのシフトを進める。

 先進国の二輪車事業では、構造改革や経費の改善による黒字転換が重点テーマとなる。LMW(リーニング・マルチ・ホイール)製品の市場開拓や中大型車の販売強化により、ブランドをけん引する。日米欧の先進国市場は、2009年のリーマンショック以降、収益が改善しきれていなかった。日本は、これまで20万〜40万台を利益の出る台数として設定して生産体制を作っていた。しかし、想定通りの需要が回復していないことから、16万台でも収益の出せる体制を目指す。

 一方、成長が見込まれるASEAN市場向けは、フィリピンを伸ばす他、新中間層向けに注力して強い収益基盤を作る。フィリピン、ベトナム、タイ、インドネシアの4カ国で2021年に売上高6999億円を目指す。売り上げ拡大に対応して、ASEAN全体の生産拠点を最適化し、生産性向上を図る。

 注力領域と位置付けるモビリティの変革に関しては、安心や快適が強みになるLMW製品をより幅広いユーザーに提供する。LMW製品は既に「Tricity」「NIKEN」を発売している他、排気量300ccの「3CT」を展示会で披露した。LMW技術に、低速で自律走行可能な「MOTOROiD」や、人型自律ライディングロボット「MOTOBOT」で培っている制御技術を組み合わせ、より安心快適な乗り物を提供していく。また、電動自転車や車いす、スクーター、ゴルフカートなど、幅広い同社製品で蓄積した電動化技術は、高出力化と多用途展開を進める。

 こうしたモビリティの変革への取り組みにより、ヤマハ発動機らしいソリューションとして低速自動運転システムにつなげる。低速に絞ることで、インフラへの依存度や事故のリスクを抑え、低コストなラストワンマイルのソリューションとして普及させる。高齢者や過疎地域が対象の移動システムや、人だけでなくモノも運ぶマルチユースに向けて開発を進めていく。

止まらない、不良が出ない、自律的な工場へ


ヤマハ発動機の太田裕之氏

 ロボティクス分野では、2021年に売上高1015億円、営業利益260億円を目指す。工場の自動化加速や、新分野の精進化に貢献することがテーマとなる。既存のサービスと市場に向けては、ソリューション強化に取り組む。自動車向けに関しては、変種変量生産やトレーサビリティーへの対応に注力し、拡大を図る。既存の市場に向けて新たに提案していくのは「工場丸ごと最適化」だ。設備同士の連携や遠隔支援、自律制御などにより、「止まらない、不良が出ない、自律的な工場を実現する」(ヤマハ発動機 ロボティクス事業部長の太田裕之氏)という。

 既存の製品を生かし、農業や医療といった新しい分野での自動化にも取り組む。農業向けでは、産業用無人ヘリコプターのノウハウを生かしたドローンを発売。医療向けには表面実装機の技術で細胞を1つ1つより分けることが可能な細胞ハンドリング装置を開発する。これは医薬品の開発期間短縮につながる。UGV(Unmanned Ground Vehicle)や無人ヘリを物流に応用することも検討している。こうした取り組みの中で、NVIDIAと共同開発する知能化プラットフォームも取り入れていく。

 ロボティクスの次世代の成長を支える基盤の強化として、人工知能(AI)を使ったピッキング技術、マシンビジョン、リニアモーター、自律的な飛行、走行、航行といった内製技術の向上も力を入れる。

 また、ヤマハ発動機は、中計の発表と同日に、自社ファンドを米国に設立したと発表した。アーリーステージのベンチャー企業への投資を加速する。運用期間は10年間で、総額1億ドル(約113億円)を運用する。パーソナルモビリティや都市交通、航空、農業や医療の自動化技術などを対象にする。

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