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ArmのIoTプラットフォーム、勝ち筋は素早い“ソリューション”にあり製造業IoT

Armの日本法人アームは、ユーザーイベント「Arm Mbed Connect 2018 Japan」の開催に合わせて記者会見を開き、同社のIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「Pelion IoT Platform(以下、ペリオンIoTプラットフォーム)」について説明した。

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 Armの日本法人アームは2018年12月5日、ユーザーイベント「Arm Mbed Connect 2018 Japan」の開催に合わせて記者会見を開き、同社のIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「Pelion IoT Platform(以下、ペリオンIoTプラットフォーム)」について説明した。

 ペリオンIoTプラットフォームは、ArmのIoTサービスグループが展開してきた「Mbed Cloud」によるデバイス管理機能に加えて、2018年6月に買収したStream TechnologiesのIoT接続管理技術に基づくコネクティビティ管理機能、同じく同年8月に買収したトレジャーデータ(Treasure Data)の「Customer Data Platform(CDP)」を中核とするデータ管理機能から構成されている。

Armの「ペリオンIoTプラットフォーム」の概要
Armの「ペリオンIoTプラットフォーム」の概要。トレジャーデータのデータ管理機能、「Mbed Cloud」によるデバイス管理機能、Stream Technologiesのコネクティビティ管理機能から構成される(クリックで拡大) 出典:アーム
Armの太田一樹氏
Armの太田一樹氏

 会見に登壇したのは、トレジャーデータの創業者兼CTOで、現在はArm IoTサービスグループ テクノロジー担当バイスプレジデントを務める太田一樹氏だ。太田氏は、Armのプロセッサコアを搭載するICが累計で1250億個に上ること、PCやスマートフォンだけでなく、さまざまなデバイスがネットワークにつながり、2035年までにIoTデバイスが累計1兆個の出荷が見込まれることを紹介。その上で「ArmはIoTを知り尽くしており、この1兆個のほとんどはArmベースのICが搭載されることになるだろう。そうなることで、IoTのことを真っ先に学べる立場にもなる」と語る。

 その一方で、同じネットワークにつながるデバイスとしてスマートフォンとの比較に基づき、IoTデバイスの普及に向けた課題を指摘した。「スマートフォンのOSは事実上iOSとAndroidの2つだが、IoTデバイスはセンサーレベルからゲートウェイといったデバイスの違い、産業分野ごとの使われ方の違いなどで、何千ものユースケースが存在する。ネットワークプロトコルもさまざまだ。この何千ものユースケースに対応するのが難しい」(太田氏)という。

「ペリオンIoTプラットフォーム」が想定するさまざまなユースケース
「ペリオンIoTプラットフォーム」が想定するさまざまなユースケース(クリックで拡大) 出典:アーム

 また太田氏はIoTのセキュリティについても言及した。同氏は「iOSは随時アップデートされていることで一定レベルのセキュリティが担保されている。しかし、Androidスマートフォンの9割はアップデートされていないという。重要インフラや工場、自動車などにも利用されるIoTが、Androidスマートフォンと同じように1兆個のレベルで野に放たれれば大変なことになる」と説明する。

Armの基本的な考え方は「ベンダーロックインしない」

 ペリオンIoTプラットフォームは、これらIoTの課題に対して先述した3つの管理機能や、IoTデバイス向けのOSである「Mbed OS」とその開発環境などを、顧客が求める形で自由に組み合わせて使えることが特徴になる。

 ただし、Stream Technologiesとトレジャーデータを買収し、ペリオンIoTプラットフォームという形で新たにブランディングした以上、顧客に対して3つの管理機能全てを利用させる狙いがあるように感じられる。これに対して太田氏は「もちろん、Armのプロセッサコア、『TrustZone』、Mbed OS、ペリオンIoTプラットフォームを組み合わせることIoTデバイスのセキュリティの確保が容易になるなどのメリットはある。だが、Armの基本的な考え方はベンダーロックインしないことにある。顧客は、今自分が使っているものがあり、それらとうまく組み合わせて対応できるような『ベストオブブリード』を求めている。Armとしては、選択肢を提供することが価値であり、例えばトレジャーデータの既存ユーザーにデバイス管理機能であるMbed Cloudなどを無理に提案したりはしない」と強調する。

 その一方で、大手クラウドベンダーが、自社のカバー範囲の広さを長所にさまざまな顧客への提案を行っていることも事実だ。これらのクラウドベンダーと比較すると、ペリオンIoTプラットフォームが見劣りする場合もあり得る。太田氏は「われわれがIT部門にアプローチするときには、そういったベンダーと比べられてしまうのは事実だ。しかし、実際に提案活動を行っている対象は、ビジネスの現場で課題に向き合っている人々であり、その場合ペリオンIoTプラットフォームのコンセプトは響いていると実感している。IoTを知り尽くすとともに、IoTを最も早く学べる立場にあるArmと、約140社にのぼるペリオンIoTプラットフォームのパートナーにより、何千もある顧客のユースケースに対して最も素早くソリューションを作り出せる。現在はまだPoC(概念実証)段階のものが多いが、5年後には大きく育つだろう」と述べている。

「ペリオンIoTプラットフォーム」に新たに加わったパートナー
「ペリオンIoTプラットフォーム」に新たに加わったパートナー。プロセッサコア事業としては競合になるIntelが加わっているが「高い処理能力が求められるゲートウェイなどではIntelプロセッサを採用していることも多い。である以上、パートナーに加わってもらう必要がある」(太田氏)(クリックで拡大) 出典:アーム

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