TSN対応のCC-Linkが登場へ、時分割で異種環境差を吸収しスマート工場化を加速:産業用ネットワーク(2/2 ページ)
CC-Link協会は2018年11月21日、「CC-Link IE」の次世代を担うネットワーク規格として「CC-Link IE TSN」の仕様策定が完了したことを発表した。時分割により異なるネットワークプロトコルでも混在が可能な他、タイムスタンプを自動で付与するため、データ分析などスマート工場化を加速させる方針である。
予兆保全にも役立つネットワークに
「CC-Link IE TSN」のもう1つの大きな特徴が、タイムスタンプを自動的に付与できるという点である。従来はそれぞれのネットワークにおける時系列がバラバラで、データ分析やAIなどでの学習に活用する際には、これらを整理するデータプレパレーション作業に大きな負荷がかかっていた。「CC-Link IE TSN」では一貫性のある正確なタイムスタンプが可能となるため、イベント履歴などを正確な時系列で追えるようになる。異常時のエラー原因の特定や予知保全の実現などをより容易に行えるようになる。
スマートファクトリーを現実の世界に
一方で製品開発面などの運用面で、大きな変更がソフトウェアプロトコルに対応したという点である。
従来通り、専用ASICやFPGAに実装することも可能だが、汎用イーサネットチップに、ソフトウェアプロトコルスタックを実装した形でも対応可能とした。これにより、さまざまなタイプの製品開発に対応し、対応機器の拡充を進めていく方針だという。
その他にも、通信周期の短縮や、遅い制御通信が混在する場合でも高速性能が要求される制御信号に影響を与えることなくパフォーマンスが最大化できる利点なども持つとしており、今後は「オープンネットワークとの相互運用性や接続性を強化していきたい」(有馬氏)としている。
既に賛同パートナーは53社が手を挙げており、2019年から製品が登場する見込みだとしている。「スマート工場の実現を現実のものに近づけるネットワーク基盤としていきたい」と有馬氏は抱負を述べている。
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