日産記者会見で見えた、記者の力量
2018年11月19日の夕方、目を見張るニュースが飛び込んできました。ルノー・日産・三菱自動車の会長のカルロス・ゴーン氏が東京地検特捜部に金融商品取引法違反の疑いで事情聴取を受けているというのです。その後、同日夜にゴーン氏が逮捕されたことは日本に限らずグローバルで大きなニュースとなったようです。
かつて経営不振にあえいでいた日産にCOO(最高執行責任者)として乗り込み、「コストカッター」との異名で辣腕(らつわん)を振るい同社の立て直しに成功したゴーン氏。「ルノー・日産・三菱アライアンス」のキーパーソンとして脚光を浴びていた彼の突然の逮捕が社会に与える影響は、今だ見通すことができません。
東京商工リサーチの調べによると、日産と直接の取引がある一次仕入先は2997社。間接取引の2次仕入先も含めると1万1534社にも上り、中小企業の割合も高いと言います。本事件がこれら取引先の経営に影響をおよぼさないことを願うばかりです。
本事件の発覚にあたって、日産は同日22時から緊急記者会見を開きました。多くのメディアが記者会見の模様を生放送、もしくは同社がインターネットストリーミング配信を行っていたため、多くの人が視聴した会見となりました。私もストリーミング配信で会見の模様を確認していましたが、その中で“もやっと”した思いがありました。それは、会場に詰めかけた記者が同じような質問を繰り返したことです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ≫MONOistメールマガジン編集後記バックナンバー
- 雨が降ったら傘を差す
松下幸之助さんの言葉です。 - 日産ゴーン氏逮捕、西川氏「アライアンスの活動に影響が出ないように」
日産自動車は2018年11月19日、横浜市内の本社で会見を開き、同社の代表取締役会長であるカルロス・ゴーン氏と代表取締役のグレッグ・ケリー氏が長年にわたって実際の報酬額よりも少ない金額を有価証券報告書に記載していたと発表した。 - 1カ所だけ不正がなかった日産九州工場、分かれ目は「専門家がいたかどうか」
日産自動車は、完成検査の工程の1つである燃費と排ガスの測定において不適切な行為があったと発表した。抜き取りで燃費と排ガスの測定試験を行った2187台のうち、1171台でJC08モードで定める測定条件を満たさないまま有効な測定結果として扱ったり、測定設備の画面から測定値を一部書き換えたりしていたことが社内調査で判明した。日産自動車の九州工場を除く国内5カ所の生産拠点でこうしたことが行われていた。 - ルノー日産三菱が機能統合を加速「一体運用での成長を証明する」
ルノー・日産自動車・三菱自動車アライアンス(ルノー日産三菱)は、アライアンスの機能統合を加速する複数のプロジェクトを始めると発表した。新中期計画「アライアンス2022」の達成に向けた具体的な施策となる。 - ルノー日産三菱が2022年に1400万台の販売目指す、600km走るEVや完全自動運転車も
Renault(ルノー)と日産自動車、三菱自動車は、新6カ年計画の「アライアンス2022」を発表した。プラットフォームとパワートレインの共有や、電動化・自動運転などの技術の共有によるシナジー創出に取り組み、2022年に年間販売台数は1400万台以上、売上高は2016年比で3割以上の増加となる2400億米ドル(約26兆6400億円)を見込んでいる。