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日産ゴーン氏逮捕、西川氏「アライアンスの活動に影響が出ないように」製造マネジメントニュース

日産自動車は2018年11月19日、横浜市内の本社で会見を開き、同社の代表取締役会長であるカルロス・ゴーン氏と代表取締役のグレッグ・ケリー氏が長年にわたって実際の報酬額よりも少ない金額を有価証券報告書に記載していたと発表した。

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 日産自動車は2018年11月19日、横浜市内の本社で会見を開き、同社の代表取締役会長であるカルロス・ゴーン氏と代表取締役のグレッグ・ケリー氏が長年にわたって実際の報酬額よりも少ない金額を有価証券報告書に記載していたと発表した。両氏は同日付で金融商品取引法違反の疑いで逮捕された。また、ゴーン氏は私的な目的で日産自動車の投資資金を使った他、経費を不正に使っており、ケリー氏がこれに深く関与していた。

 会見で代表取締役社長 西川廣人氏は、同月22日に取締役会を招集し、ゴーン氏とケリー氏の代表権を解くことと、ゴーン氏の会長職解任を提案すると説明。また、独立した社外取締役を中心に第三者を入れた委員会を立ち上げ、今回の要因や背景、ガバナンスの問題点を洗い出していく。「1人に権限が集中しすぎるのは1つの誘因になったと考えている。委員会にはこれについても掘り下げてもらう」(西川氏)。ゴーン氏は三菱自動車 代表取締役会長も務めるが、三菱自動車も同氏の会長職と代表権を解く方針だ。

 今回の案件はRenault(ルノー)や三菱自動車とのアライアンスに影響を与えるものではなく、活動に影響が出ないよう緊密に連携し、調整や変更が必要な場合は協議しながら進めていくと西川氏は述べた。ルノーは日産自動車の発表を認める声明を発表し、ルノー CEOであるゴーン氏から正確な情報が得られるまで、アライアンスに対する関心を維持することに専念する方針を示した。

 西川氏は、「(退任させるといったものではなく)不正を取り除くことが本質だ。まだ少し早いが、将来的には特定の個人に依存した状況を脱し、持続可能な体制にしていく。ルノーや三菱自動車との協議を始めている」と述べた。19年にわたるゴーン氏の経営については、「ゴーン主導の不正や、ゴーン統治の負の側面は認めなければならないが、これまで積み上げてきた財産もある。CEOだけの成果ではなく、従業員の努力や、1990年代の苦労と努力の貢献があってのリカバリーだった。これらを無にしたくないので、守るべきものは守っていきたい」(西川氏)と語った。

 ゴーン氏とケリー氏の不正は社内の内部通報制度によって発覚し、検察当局に報告し全面的に協力した上で内部調査も進めてきた。通報があった具体的な時期については捜査中であることから明言を避けた。内部調査はほぼ完了しており、両氏以外の不正はないとしている。

 西川氏は、「断じて容認できる状況ではない。有価証券報告書が正しく作成されなかったことは是正すべき事態だ。株主や取引先の信頼を大きく裏切っていることや、国内外の従業員や販売ネットワークに不安を与えたことを、残念に、申し訳ないと感じている。残念という気持ちをはるかに超えて、憤りや落胆を感じている。従業員には現時点で説明できることが限られており、取引先も不安を抱えている。社内の動揺を抑え、取引先との日常業務にも影響を極力出さないように集中していく」とコメントした。

 グレッグ・ケリー氏の職務は、直近はゴーン氏のサポートやアドバイスが主だった。ケリー氏は北米日産の法務や人事を経て日産自動車本体の役員に就任した。その後、アライアンスの業務も担当したが、2015年2月からは日産自動車の代表取締役のみの肩書となっていた。長年ゴーン氏の側近を務めており、西川氏は「相当な権力を持って社内をコントロールしていたという実感、実態だ」と述べた。

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