MSCがAdams 2018.1とMarc 2018.1を提供開始、自動運転システム向け機能など:CAEニュース
エムエスシーソフトウェア(以下、MSC)は汎用機構解析ソフトウェア「Adams 2018.1」と、非線形解析ソフトウェア「Marc 2018.1」を提供開始している。
エムエスシーソフトウェア(以下、MSC)は汎用機構解析ソフトウェア「Adams 2018.1」と、非線形解析ソフトウェア「Marc 2018.1」を提供開始している。
Adams 2018.1は、リアルタイムアニメーション機能と、VTD(Virtual Test Drive:バーチャルテストドライブ)向けの「Adams Car」モデルを提供する。ソルバーのパフォーマンスも向上させたという。
同製品はリアルタイム解析中にアニメーションをライブで流すことができる。アニメーションは、Adamsソルバーの実行マシン上でも、別のマシン上でも利用できる。なお同機能はLinuxプラットフォームでのみ実行可能だ。
自動運転システム開発においては、VTDからブレーキ、スロットル、ステアリング信号を伝達すると、Adams Carのフルビークル(全車両)モデルはビークルとホイールの状態を計算して返せるようになる。
Marc 2018.1は既知の問題(不具合)の修正を行うと共に、細やかな機能追加を行った。局所座標系のプロット機能の追加、履歴プロットデータ収集速度の向上、移動メニューの簡素化、差分進化法による材料フィッティングでの予測変形モード(実験データのない変形モード)の表示などに対応した。Mentatにおけるユーザーサブルーチン「md_hypela2.F」もサポートする。
「MSC CoSim」はさまざまなMSC製品間のシミュレーションを効率化するためのシステムで、「2018年後半」(同社)リリース予定ということだ。それに先立って、AdamsとMarc、ソフトウェアクレイドルの「scFLOW」の最新バージョンにそのプラグインを備えた。構造・流体、熱・流体、構造・機構といったコシミュレーション機能が利用できる。以後、他のMSC製品へも順次拡大していくということだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- デジタルツインをAIで強化、実機とソフトをMSCとHexagonがつなげる
エムエスシーソフトウェア(MSC)は2018年5月30日、同社ユーザー向けイベント「MSC Software 2018 Users Conference」を開催した。同イベントではMSCのCEO、Paolo Guglielmini氏が登壇した。 - 複合材解析を分かりやすくするCAE「MSC Apex Harris Hawk」
エムエスシーソフトウェアがリリースした新製品「MSC Apex Harris Hawk」の新製品では複合材解析のモデリングと解析に対応。従来はNastranやPatranでやらざるを得なかった面倒で複雑な複合材解析がやりやすく、かつ分かりやすくなった。 - 米MSCがHexagonによる買収に合意、ただし「今後も独立性維持」
米MSC Software(MSC)がHexagonによる買収に合意したと発表。2017年4月に買収完了予定。ただしMSC本社も日本法人も独立したオペレーションを継続。 - 米国産CAEが日本産プリ/ポストと統合――MSC Nastran Desktop for TSV
MSC NastranとテクノスターのTSVを統合した製品が登場。旧・現MSC日本法人のエンジニア社長同士がタッグを組んだことにより実現した製品だ。 - 米MSC、国産CFDソフトベンダー クレイドルを買収
熱流体解析ソフトウェアで知られる国産CFDベンダー ソフトウェアクレイドルが米MSC Softwareに買収された。MSCがクレイドルの全株式を取得し、MSC傘下のグループ企業となった。