米MSCがHexagonによる買収に合意、ただし「今後も独立性維持」:CAEニュース
米MSC Software(MSC)がHexagonによる買収に合意したと発表。2017年4月に買収完了予定。ただしMSC本社も日本法人も独立したオペレーションを継続。
米MSC Software(MSC)は2017年2月2日、Hexagonによる買収に合意したと発表した。買収額は8億3400万ドル。2017年4月に買収は完了予定だ。
MSCは、地理空間的・産業的エンタープライズアプリケーションを手掛けるHexagonのManufacturing Intelligence(MI)部門傘下の子会社となるが、「今後もMSCブランドと会社の独立性および独立したオペレーションは変わらない。ビジネスのミッション、ロードマップもこれまでと同様。先日、MSC傘下に加わったソフトウェアクレイドルにも影響なし」(MSCの日本法人)としている。
MSCの日本法人としての組織も同様に維持し、引き続き独立したオペレーションとなるという。Hexagonの製品やサービスとの連携については、まだ合意直後ということもあってか、「現時点では具体的な話はない。将来は何らかしらの連携はあり得る」(MSCの日本法人)とコメントしている。
Hexagonは測定や生産関連の機器やシステムなどを手掛けるスウェーデンの企業。同社 社長兼CEO Ola Rollén氏は、「自動車や航空宇宙など産業界におけるHexagonの『スマートコネクテッドファクトリー』ビジョンの実現に向けてさらに大きな一歩を進められる」と述べている。同社は生産現場のリアルデータと、MSCが得意とするシミュレーションデータを組み合わせたソリューションを顧客に提供できるとしている。
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