少量の血液でがん14種を判定、深層学習技術を用いたシステムの研究開始:医療機器ニュース
Preferred NetworksはPFDeNAと共同で、深層学習技術を活用して少量の血液で14種類のがんを早期発見する検査システムの研究開発を行う。各種がん検診において、高精度かつ患者負担が少ないがん検査の普及が期待される。
Preferred Networksは2018年10月29日、PFDeNAと共同で、深層学習技術を活用し、少量の血液で14種類のがんを早期発見する検査システムの研究開発を開始すると発表した。各種がん検診において高精度かつ患者負担が少ないがん検査が普及することが期待される。2021年を目標に事業化を目指す。
PFDeNAは、個人が特定されない形で血液検体を取り扱い、DNAの塩基配列を並列的に高速に読み出せるシーケンサーを用いてExRNA発現量を計測。計測されたExRNAの発現量と臨床情報を用いて、深層学習による学習、評価、解析をPreferred Networksが担う。
各機関の連携により、血液中のExRNA(本研究においては主にmiRNA)の発現量を元に14の種類別にがんの有無を高精度に判定できるシステムの実用化を目指す。なお、血液検体と臨床情報は、国立がん研究センターにて提供者の同意を得て研究用に収集されたものを用いる。
今後、早期がん発見システムにより、国内におけるがん検診の受診率の向上、がんの早期発見による死亡率の低減、健康寿命の延伸、医療費の削減などへの貢献が期待される。
がん検診は従来、がんの種類によって異なる検査方法で体の部位や臓器それぞれを検査する必要があり、精度のばらつき、検診費用、身体的負担などが課題となっていた。近年、各臓器のがんに特徴的に発現するmiRNAの存在が判明。本研究では、がんに罹患すると体液中で発現するmiRNAの種類や量の変動に注目し、容易に採取できる血液を使ったがん診断が期待される。
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