インダストリー4.0に向かって渦巻く共創の波、ハノーバーメッセが日本に呼びかけ:ハノーバーメッセ2019
日本能率協会 ドイツメッセ日本代表部は2018年11月13日、2019年4月1〜5日にドイツのハノーバーで開催される、世界最大規模のB2Bの専門展示会「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)2019」の開催概要について発表した。
日本能率協会 ドイツメッセ日本代表部は2018年11月13日、2019年4月1〜5日にドイツのハノーバーで開催される、世界最大規模のB2Bの専門展示会「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)2019」の開催概要について発表した。2019年のパートナーカントリーはスウェーデンで、出展企業は6000社を見込む。
産業システムの統合化、産業インテリジェンスの実現
「ハノーバーメッセ」はドイツのハノーバーで開催される、オートメーションやデジタル生産システム、エネルギーシステムなど、産業関連技術を紹介するB2Bの専門展示会である。2018年の出展企業は5000社で来場者は21万人となっている。2011年にハノーバーメッセにおいて「インダストリー4.0」のコンセプトが発表されたことから、インダストリー4.0の進捗確認の場と位置付けられている※)。
※)関連記事:「ハノーバーメッセ特集ページ」
今回のメインテーマは「Integrated Industry(産業システムの統合化)―Industrial Intelligence(産業インテリジェンス)」とする。ハノーバーメッセを主催するドイツメッセ ハノーバーメッセ国際関係担当部長であるマルコ・ジーベルト(Marco Siebert)氏は「ハノーバーメッセは、工場を稼働させる全てを見つけることができる展示会である。また、産業界のグローバルでの共創を見ることができ、ソリューションを結び付けることができる産業界のショッピングモールである。ここで重要なのは共創とパートナーシップだ」と協力の重要性について語った。
ハノーバーメッセ2019では、「Integrated Automation、Motion and Drives(自動化、パワートランスミッション、モーションコントロール、液体技術)」「Industrial Supply(部品や部材、軽量化デザイン)」「Digital Factory(製造のためのソフトウェアやIT)」「ComVac(圧縮空気、バキュームテクノロジー)」「Integrated Energy(再生可能エネルギーシステム)」「Research & Technology(応用研究、技術継承)」の6つの展示テーマが用意されている。
インダストリー4.0は中小企業にも身近な存在に
これらの中で、インダストリー4.0をはじめ、AI(人工知能)や積層造形技術、協働ロボット、センサー技術などのテーマで出展が行われる見込みだ。ジーベルト氏はインダストリー4.0について「ハノーバーメッセでインダストリー4.0を積極的に扱うようになったのは4年ほど前からだが、当初は疑念の声もあり、一部の大企業のものだった。中小企業は保守的なものだが、彼らには受け入れられてこなかった。しかし、簡単なソリューションが登場し幅広い企業にとってビジネスレベルに入ってきたと感じている」とインダストリー4.0の進捗度について述べている。
ジーベルト氏は「これらの技術は、技術だけで意味を持つものではなく、人との関わりが重要だ。人との協調、ともに働くというような提案が増えている」と出展について述べている。また、2019年のハイライトの1つとして「AIの進化が来るのは間違いない。この領域で日本や各国との連携を進めたい」(ジーベルト氏)とするなど、AIへの関心の高さを訴えた。
日本企業の出展状況は今取りまとめ中だというが、ハノーバーメッセ2018から実施したジャパンパビリオンを、ハノーバーメッセ2019でも行う予定だという。同パビリオンは、日本のロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)と日本能率協会が実施するもので「Japan Pavilion For Connected Industries」とする。日本の第4次産業革命に向けた取り組みを世界に発信するとともに、日本企業の参加を促し「Connected Industries」を実現する企業の取り組みを紹介する。参加企業は10社で、ロゴ掲示やカタログ配置などだけを行うサポーター募集なども行っている。
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