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インダストリー4.0の中心地でモノづくりを訴求、日本ブースの悲喜こもごもハノーバーメッセ2018(1/2 ページ)

日本能率協会とロボット革命イニシアティブ協議会はハノーバーメッセ2018に共同ブースを出展し、ジャパンパビリオンを設置した。ジャパンパビリオン内に出展した6社の動向を紹介する。

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 日本能率協会(JMA)とロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)はハノーバーメッセ2018(2018年4月23〜27日、ドイツ・ハノーバーメッセ)に共同ブースを出展し、ジャパンパビリオンを設置した。ジャパンパビリオン内に出展した6社の動向を紹介する。

日本企業の技術力を世界に発信

 「ハノーバーメッセ」は出展企業6500社、来場者22万人以上という、世界最大規模の産業関連技術の見本市である。主力はオートメーションやデジタル生産システム、エネルギーシステムなどだが、多彩な産業技術が出展されることが特徴だ。さらに、2011年にこの展示会内で「インダストリー4.0」のコンセプトが発表されたことから、インダストリー4.0やデジタル製造技術の進捗確認の場として注目されるようになり、同分野における国際的な情報発信の中心となる展示会として盛り上がりを見せている。

 JMAとRRIではこれらの場所で日本の活動を訴える重要性から、日本のデジタルモノづくりに向けた活動を紹介するブースを用意。日本が訴える「Society 5.0」および「Connected Industries」などのコンセプトの説明とともに、2018年4月19日に公開した日独標準化共同文書「アプリケーションシナリオ(Value-Based Service)の機能的視点」などについても説明した。

 加えて、ブース内には企業紹介ブースも用意しており、i Smart Technologies、アビームコンサルティング、東海エレクトロニクス、マクシスエンジニアリング、ミツイワ、IBUKI/LIGHTzの6社が出展。それぞれの独自技術を紹介した。

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JMAとRRIが共同出展し実現した「ジャパンパビリオン」(クリックで拡大)

最短3時間強で「見える化」を実現するi Smart Technologies

 i Smart Technologiesは工場の簡単見える化ソリューションを紹介した。自動車部品を製造する中堅メーカーの旭鉄工が、社内で低価格な生産見える化ツールを開発して生産効率を大幅に高められたことから、同ソリューションをパッケージ化し販売するために発足したのがi Smart Technologiesだ。※)。既に日本国内と日系企業のタイ拠点を中心に100社以上での導入実績があるという。最短で3時間強で「見える化」までを実現できる簡単さと中小製造業でも導入できる低価格が特徴。導入ライン数でいえば600ライン以上となっており、これらの実導入データを基に機能拡張を進めているところだ。

※)関連記事:IoTは町工場でも成果が出せる、市販品を次々に活用する旭鉄工の事例

 ハノーバーメッセでの手応えについてi Smart Technologies 代表取締役社長 CEOの木村哲也氏は「欧州からの引き合いはそれほどないが、ASEANからの来場者などからは反応を得ることができた。また逆に日本ではアプローチできなかった企業などもジャパンパビリオンでの出展ということで立ち寄ってもらえることもあった」と手応えについて語っている。

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i Smart Technologies 代表取締役社長 CEOの木村哲也氏(右)と同社CTOの今井武晃氏(左)(クリックで拡大)

可用性を邪魔しないデータセキュリティを訴えたミツイワ

 ミツイワはRRIの製造ビジネス変革WG(WG1)のサブWG「スマート工場構築を支援する新しいネットワーク技術の実用化検討サブWG」で取り組んだデータセキュリティ技術を出展した。同技術の開発はアドソル日進、アライドテレシス、コネクトフリーなどと共同で取り組んだもので、ハードウェアレベルでマシンを分離するセキュリティ技術「LynxSecure」と新たなネットワーク技術「EVER/IP」を組み合わせ、機器への侵入、設定などの改竄の可能性を排除しながらデータ連携を可能とする。

 ミツイワ マーケティング企画部部長でセキュリティビジネス推進部部長代理である稲葉善典氏は「オフィスITで重視される要件と工場内などで重視される要件は全く異なり、専用のセキュリティ技術が必要になる。PoC(概念実証)対象会社を模索中であるが、セキュリティへの関心は高く技術的な説明については多くの人に聞いてもらえた」と語っている。

photophoto 「LinuxSecure」と「EVER/IP」の組み合わせを実現するハードウェア(左)とデモ機のシステム構成(右)(クリックで拡大)

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