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スマートファクトリーは人も進化させる、ジェイテクトが訴えるIoEの真骨頂JIMTOF2018

ジェイテクトは「JIMTOF2018」において、同社が推進するスマートファクトリーコンセプト「IoE」を体現する「人」に向けた新たなソリューションを出展。人と設備がそれぞれ成長する現実的な価値を紹介した。

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 ジェイテクトは「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」(2018年11月1〜6日、東京ビッグサイト)において、同社が推進するスマートファクトリーコンセプト「IoE」を体現する「人」に向けた新たなソリューションを出展。人と設備がそれぞれ成長する現実的な価値を紹介した。

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設備と人がともに進化する「IoE」ソリューション群(クリックで拡大)

IoEソリューションの真価

 ジェイテクトでは、IoT(Internet of Things)の活用において、「モノ(Things)」だけをつなぐのではなく、人やサービスまでもつなげていくという思いから「IoE(Internet of Everything)」として推進。「モノづくりの中心は人であるべきだ」という思想のもと、スマート工場の実現に向けてこの「IoE」を活用したさまざまな取り組みを進めている。

 従来は、工場内の製造機器や設備に付いている信号灯に設置するだけで、「赤」「黄色」「緑」などの信号灯のステータスを監視できる「JTEKT-SignalHop」や、異種システム環境差を吸収してデータの見える化を実現する小型のボード型PLC「TOYOPUC-Plus」、これらの情報を簡単に分析できるエッジ型解析モジュール「TOYOPUC-AAA」など、設備情報を有効活用するソリューションを充実させてきた。

 これに対し今回は「人」の領域に踏み込んだことが特徴である。新たに11月1日に販売を開始したのが人のスキルアップに貢献する「スキルアップNAVI」シリーズである。具体的には「作業遂行分析アプリ」「問題解決リレーアプリ」「改善データベースアプリ」の3つのアプリケーションをリリースした。

 「作業遂行分析アプリ」は、スマートフォンアプリで作業の開始と終了時間を記録することで、個人の作業時間を簡単に計測できるようにしたものである。このデータを集計し、個人の強みや弱みを見える化し、個人の成長促進や人材育成、人員配置などの組織管理に活用しようというものである。

 「問題解決リレーアプリ」は、工程などの課題について、個人の気付きをシェアし、改善活動につなげていくのを支援するものだ。具体的にはスマートフォンで作業場の問題を登録し、それをリレー形式で「問題発見」から「改善対応」「改善完了」「問題完了」までつないでいくというものだ。改善事例を共有、蓄積することで今後の改善活動を容易に行えるようにする。

photophoto スマートフォンでの問題登録のイメージ(左)とリレー形式での問題解決のフロー(右)(クリックで拡大)出典:ジェイテクト

 「改善データベースアプリ」は、個人が持つノウハウをデータベース化して改善能力を見える化するものだ。改善事例の入力と共有により、蓄積されたデータを改善活動に活用できる。一方で「問題解決リレーアプリ」と連動し、個人の改善能力の特徴などを示すことで個人のスキルアップにもつなげられる。

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「スキルアップNAVI」による個人の改善能力を示した例(クリックで拡大)出典:ジェイテクト

 ジェイテクト 工作機械・メカトロ事業本部 ラインコントロール技術部部長の山口泰一氏は「従来は生産ラインにおける人の改善の動きや、改善のノウハウなどをデータ化できる仕組みがなかった。『スキルアップNAVI』により、改善の蓄積や水平展開などができるようになる」とその意義について述べている。

人と機械の融合も実現

 さらに、この「スキルアップNAVI」を活用することで、従来取得が難しいとされてきた人作業の管理なども実現しやすくなる。これにより、人と設備の作業能力などを見ながら、それぞれに最適なリソース配置などを実現できる。加えて、それぞれの改善活動を組み合わせて実現できることで、人と機械がそれぞれ進化し、その相乗効果が得られるという効果も期待できる。

 山口氏は「ジェイテクトでは以前から人も機械も進化する工場を目指し『IoE』のコンセプトを訴えてきた。従来の機械に向けてのソリューションに加え、人に向けたソリューションがそろったことで、よりコンセプトに近い改善活動が行える体制が整った」と語っている。

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