新しいアイデアとプラットフォーム構築がカギ、食と居住空間の未来:パナソニックが描く未来の“カデン”(2/2 ページ)
パナソニックは、創業100年を記念したプライベートイベント「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」(2018年10月30日〜11月3日、東京国際フォーラム)を開催中だ。その中で、家電事業を担当するアプライアンス社は未来の“カデン”を提案するユニークなコーナーを設けた。
絵画を飾るように映像コンテンツを見せる、クリエイターの支援も
「Ambient Media Player」(以下、AMP)は、映像をインテリアとして見せるサービスだ。同サービスは空間演出用の絵画やアート写真のように映像を活用することを目指し、心地よい空間を演出する映像作品と正方形に近い専用デザインのディスプレイ機器をセットで提供する。
AMPで再生する映像作品は、単なる環境映像でなく「ユーザーの居住空間をより豊かにするものをキュレーションしている」(AMP開発者)とし、映像作品の販売モデルはストリーミング型でなくダウンロード型だ。この理由として、「ストリーミングでは映像再生が停止する可能性があり、ユーザーにはストレスを感じさせてしまう」と説明する。
映像の“額縁”であるディスプレイ機器にもこだわりを見せた。デザインは「テレビ以上に空間への溶け込みやすさを重視した」ために正方形に近い形とし、液晶パネルの上下をスピーカーが挟んでいる。ディスプレイパネルは表面全体を光沢のあるグレア処理としており、「インテリアミラーのように、ディスプレイの映り込みを含めて1つの空間表現として工夫した部分だ」という。
AMPは、映像クリエイターの作品発表機会を創出するプラットフォームとしても重要な役割を担う。AMP開発者は「世には正当な対価を受け取っていない映像クリエイターが多く存在する」と指摘。AMPは「そういったクリエイターが生み出したクオリティーの高い作品を発信する。映像が気に入ったユーザーにはクリエイターの情報を提供するようなシステムを用意している」という。
事業化時期については未定とするが、「可能な限り早くしたい」と意気込みを見せる。ホテルやカフェ、オフィスの待合場所などでの採用を狙い、価格帯は「同サイズのアート写真から少し高いくらい」になる見込みだ。
AMP開発者は「空間のインテリアとして映像と音を使う製品は他にはないもので、そういった意味でチャレンジをおこなった新規事業だ。AMPを通して新しい映像と音の文化を提案したいと考えている」と語った。
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