伝統工芸の世界にも3D技術を、西陣織を立体サイネージ化:3D技術
パナソニックは、創業100年を記念したプライベートイベント「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」(2018年10月30日〜11月3日、東京国際フォーラム)において、西陣織の立体サイネージ事例サンプルを展示し、「モノづくりデジタライゼーション」をアピールした。
パナソニックは、創業100年を記念したプライベートイベント「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」(2018年10月30日〜11月3日、東京国際フォーラム)において、西陣織の立体サイネージ事例サンプルを展示し、「モノづくりデジタライゼーション」をアピールした。西陣織は京都の伝統工芸で、先染め織物(染色後の糸を編む)の一種である。今回は、西陣織のPRや認知拡大をテーマに同社のモノづくりデジタライゼーション(デジタル化)を適用した。
同社の考えるモノづくりデジタライゼーションは、「価値創造」「価値設計」「価値製造」というプロセスになっている。顧客の「形のない思い」を素早く見える化し、経験と勘の世界である匠の技をデジタル化し、匠を超える技で素早く高品位に製品を作り上げ、さらにそれに思いを込めて顧客に届けるという考え方だ。
西陣織は非常に手のかかる工程を経て製作されるため、作品展示や商談イベント、営業訪問などの用途でサンプルを用意しようとする場合、準備のコストや時間に制約が出てしまう。また外に持ち出すことを繰り返したり、頻繁に手で触れられると、サンプルはすぐに傷んでしまう。そこで、パナソニックの立体サイネージ技術を活用する。
サンプル作品は、レーザー加工でアクリル板に立体的かつ繊細な西陣織の形状を彫刻し、後でベース色を塗装する。基になる形状データは西陣織の現物から3Dスキャンで採取し、色鮮やかさ、質感、風合いの数値化も実施する。彫刻部は繊細な形状を保護するために、透明なアクリル板で保護する。アクリル板にはLEDを照射し陰影を出し、立体的に見えるようにする。彩色した光を板の彫刻部に照射することで、カラーバリエーションの表現も可能なため、色違いでいくつもサンプルを用意する必要もなくなる。
同社の立体サイネージは小型化してLEDも仕込むことが可能なので、ノベルティーやPRサンプルとして配布することも可能だ。
今回展示した立体サイネージは、市場でのニーズなども今後調査を進めていき、サービスや商品化を検討する。同社は宿泊施設などの内装サンプルなど建材関係での引き合いを見込んでいる。
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