Cerevoの岩佐氏がパナソニックに帰還、Shiftallでアジャイルを持ちこむ:ベンチャーニュース
Cerevoは、2018年2月に設立していたハードウェアのアジャイル生産を手掛ける新会社Shiftallの全株式をパナソニックに売却した。Shiftallの代表取締役は、Cerevoの社長を務めていた岩佐琢磨氏が就任しており、岩佐氏は11年ぶりにパナソニックに戻ることになる。Shiftallはパナソニックのビジネスイノベーション本部と連携していく。
Cerevoは2018年4月2日、同年2月に設立していたハードウェアのアジャイル生産を手掛ける新会社をShiftall(シフトール)の全株式をパナソニックに売却したと発表した。
Cerevoとパナソニックは、Cerevoの持つ開発・製造ノウハウを活用し、新たにハードウェアを開発・製造・販売する新会社としてShiftallを設立。両社協議の結果、その全株式をパナソニックが取得することで合意したという。Shiftallの代表取締役は、Cerevoの社長を務めていた岩佐琢磨氏が就任。岩佐氏に代わってCerevoの代表取締役には青木和律氏が就任する。
岩佐氏は、2007年にパナソニックを退社しCerevoを創業。無線LAN搭載のデジタルカメラ「CEREVO CAM」やPCレスのライブ配信機器「LiveShell」などを展開し、Cerevoは新進気鋭の家電ベンチャーとしてその名を知られるようになった(関連記事:革新的な製品を作り続ける――パナソニック出身者が立ち上げた家電ベンチャーの新戦略)。今回、パナソニックがShiftallを買収したことにより、岩佐氏は11年ぶりにパナソニックに戻ることになる。
ShiftallのWebサイトで岩佐氏は「未だ見ぬハードとソフトの両輪で、生活を1歩ミライへ」というスローガンを掲げている。「IoT(モノのインターネット)というバズワードで語られるインターネット接続型、サービス接続型のハードウェアの世界で求められるのは、ハードとソフトが高度に混ざりあった新しいモノづくり。驚くほどのスピードで進化するネットとソフトの技術革新に追従しながらの開発・製造は、いちエンジニア、いちデザイナーの力だけでは成し遂げることができません。世界最強のゴールキーパーと契約ができても、他のポジションが機能しなければサッカーの試合には勝てないように。Shiftallは創業1日目から、数十名の高いチーム力を発揮できるIoT開発・量産化専門チームを擁し、1歩ミライの生活実現へと挑みます」(同氏)という。
なお、Shiftallは、パナソニックが2017年4月に設置したビジネスイノベーション本部と連携していくようだ。同本部の本部長には2018年4月に、かつてSAPジャパンに在籍していた馬場渉氏が就任している。馬場氏がシリコンバレーで推進している、イノベーションを量産するマザー工場「Panasonic β」などの活動と、Shiftallが連携していく可能性は高い(関連記事:パナソニックがシリコンバレーに設立した「Panasonic β」で「ヨコパナ」を実現)。
一方、Cerevoは、既存製品の生産、販売、サポート、新規製品の企画、開発に加え、これまでCerevoが培ってきたIoT家電への技術・リソース・ノウハウを、主にこれからハードウェアの開発、製造にゼロから取り組んでいくスタートアップ企業などのより広範囲な顧客に提供していく。自社ブランドでのハードウェア製品の開発、製造及び設計とともに、共同開発、製造業務にも重点を置き、パートナー企業の事業価値を高めていくとしている。
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