“暮らしのiOS”か? パナソニックの新たな暮らし基盤「HomeX」デビュー:イノベーションのレシピ(1/2 ページ)
パナソニックは2018年10月30日、同社の100周年を記念して行う初めての全社ユーザーイベント「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」を開催。その場で報道陣に向けて、家電や住宅設備、住宅などを再定義する、人間中心の暮らし統合プラットフォーム「HomeX」を披露した。
パナソニックは2018年10月30日、同社の100周年を記念して行う初めての全社ユーザーイベント「CROSS-VALUE INNOVATION FORUM 2018」(2018年10月30日〜11月3日)を開催。その場で報道陣に向けて、家電や住宅設備、住宅などを再定義する、人間中心の暮らし統合プラットフォーム「HomeX」を披露した。
デザイン思考で“暮らしの機器”を再定義
「HomeX」は、パナソニック ビジネスイノベーション本部長の馬場渉氏がシリコンバレーに設立した「Panasonic β」などでコンセプトが創出され、2018年4月に買収されたShiftall(シフトール)などを通じて製品を形作った暮らしの統合プラットフォームである。
ポイントはユーザーインタフェースなどを人間中心に再定義したことである。既存の家電製品や住宅設備、住宅などは既に確立された市場があり、開発手法なども確立されている。これらの製品開発については、それぞれで個別最適化が進んでおり、既存のニーズに応えるだけであれば効率的ではあるものの、新たなニーズや潜在的ニーズに応える柔軟性がない状況だった。
これらを打破するための取り組みの1つが「HomeX」である。顧客の生活や人の暮らしを中心とし、デザイン思考で“あるべき姿”を構築した。今回「HomeX」製品として示されたのは、ディスプレイ型のコントロールパネル型のデバイスである。「HomeXディスプレイ」とするが「ディスプレイはコンセプトを具現化した1つの形で、今回示した『HomeX』の最も小さな形の1つだ」(馬場氏)とする。
馬場氏は「HomeX」で描くものとして「今回われわれが示したかったのは、まず青写真として、人が中心の“暮らし”を基軸とする製品やサービスなどに市場を再定義したかったという思いがある。従来は家電や住宅設備、住宅などがバラバラで暮らす人から見るとアンバランスが発生していた、それを解決するためには統合され人を中心に最適化されたユーザーインタフェースが必要だ。ストレスなく“暮らし”を快適にできる。そういう基盤を目指した」と大きなコンセプトを述べる。
さらに、これを具現化するものとして「HomeXプラットフォーム」とするソフトウェアを開発。これにより、さまざまな機器に「HomeXプラットフォーム」を搭載することで、それぞれの機器が同じユーザーインタフェース、同じデータなどを基に、暮らす人々とコミュニケーションができる仕組みを実現できるようにした。展示で示された「HomeXディスプレイ」もこのHomeXプラットフォームを搭載したエンドポイントデバイスとなる。
現状ではこれらのソフトウェア群を中心にして、複数機器群でも、“暮らし”に最適化された、共通のユーザー体験を提供できるユーザーインタフェースと、これらの基盤を通じて得た行動のログなどを収集するデータ収集の仕組みを1つの基盤としているのが「HomeX」の根幹だといえる。
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