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車載向け電波暗室を増設、ADAS向けのEMC受託試験を強化へ車載電子部品

OKIエンジニアリングは2018年10月25日、東京都内で記者向けの説明会を開き、ADAS(先進運転支援システム)向けにEMC受託試験サービスを拡大すると発表した。埼玉県本庄市にある同社のカーエレクトロニクステストラボ内に第5車載電波暗室を新設し、同年11月1日から稼働する。これにより、EMC試験が可能な電波暗室が13カ所に増える。

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OKIエンジニアリング 社長の柴田康典氏

 OKIエンジニアリングは2018年10月25日、東京都内で記者向けの説明会を開き、ADAS(先進運転支援システム)向けにEMC受託試験サービスを拡大すると発表した。埼玉県本庄市にある同社のカーエレクトロニクステストラボ内に第5車載電波暗室を新設し、同年11月1日から稼働する。これにより、EMC試験が可能な電波暗室が13カ所に増える。

 ADAS向けのセンサーはルームミラーの裏側に設置されることが多く、直射日光による高温で厳しい環境に置かれる。また、車内にさまざまな電子機器がある中でも正しく作動することが求められており、信頼性評価の重要性が高まっている。

 今後は、ADAS以外にも、電動化の進展に向けたモーターやリチウムイオン電池、パワーデバイスの評価、解析、軽量化材料の耐候性試験など、自動車の進化に合わせた試験設備を導入していく。これにより、2019年度に売上高を2017年度比5割増を目指す。

さまざまな用途で搭載が増える車載電子部品。エンジンECU(左)。フロントガラスに設置されるセンサーも増えている(中央、右)(クリックして拡大)

 カーエレクトロニクステストラボは2017年4月に設置した。車載電子部品の試験受託が増加し、2016年末に既存の設備の稼働率が100%を超えていたことから、試験体制を強化し、試験の待ち時間などを解消するため同ラボを設けた。ドアやバンパーなどサイズが大きい自動車部品向けの信頼性評価設備や、多方向からの電磁波耐性試験を行う「リバブレーションチャンバー(反射反響室)」を備えている。電波暗室は全て同じ仕様とし、再現性のある試験を実施できるようにしている。

 OKIエンジニアリングでは今後、売上高の15〜20%を設備投資に充て、自動車向けの試験体制を強化する。人員も2019年に2018年度比で10%増員する。同社の自動車向けの売上高は年平均20%のペースで成長しており、2019年度は前年比16%の拡大を見込んでいる。

 電動化や軽量化、コネクティビティ、運転の自動化など、自動車の進化に合わせた試験体制を整える計画だ。電動化では、電気自動車(EV)の駆動用モーターや、高電圧大電流のシステムに向けたEMC試験に対応する。リチウムイオン電池やパワーデバイスの信頼性評価や解析も対応を予定している。このほか、大型部品に対応した環境試験や、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の耐候性試験も設備投資の計画に含めている。自動運転車向けには、無線試験やセンサーの試験を拡充する。

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