製品試験の外部委託が加速? OKIエンジニアリングが新拠点を設立:製品評価・試験サービス(1/2 ページ)
OKIエンジニアリングは新たに日本電子部品信頼性センターの設備と人員を譲り受け「西東京試験センタ」を稼働させた。同社が製品や部品の評価や試験を行う拠点はこれで3拠点目となり、試験能力は新拠点の開設前に比べ25%向上するという。
OKIエンジニアリング(以下、OEG)は新たな評価拠点として、東京都東久留米市に「西東京試験センタ」を開設し2015年2月21日から稼働を開始した。同社の評価拠点はこれで3拠点目となり、評価能力は新拠点開設前に比べ25%向上するという。
OEGは沖電気工業(OKI)グループにおいて、信頼性評価と環境保全の技術サービスを展開する100%子会社。設立は1973年で、エレクトロニクス関連の信頼性評価と安全認証の支援に関連する7つの事業を展開している。故障解析や良品解析を行う信頼性解析事業部、部品やユニットなどの特性評価などを行うシステム評価事業部、車載および医療機器などの規格に合わせた電磁的両立性(EMC)を試験するEMC事業部、計測機器の校正サービスなどを行う計測事業部、半導体デバイスの特性評価などを行うデバイス評価事業部、環境システムの評価や化学分析などを行う環境事業部部、電子部品の技術環境情報を調査する部品情報事業部、という7事業部体制で運営している。
RCJからの移管
西東京試験センタはこのうちシステム評価事業部に組み込まれる。新拠点は、電子部品の評価を行っていた日本電子部品信頼性センター(RCJ)の拠点や設備、人員を譲り受けたもの。同拠点を運営していた6人の従業員や設備はそのまま移管し、新たに4台の設備導入と工事で2500万円の投資を行ったという。
RCJは、一般財団法人であったため、自社で試験設備を持たない中小製造業や、官公庁関連の評価試験などで利用する顧客が多く、これらの顧客も引き継ぐ予定だとしている。
OEG代表取締役社長の浅井裕氏は「より多くの顧客が求める評価技術を導入し、成長を遂げてきた。もともとの半導体の評価から、車載対応やLED証明、パワーデバイスやモジュールなど対応範囲を広げてきた。実際にOEGに対する評価試験の案件数は年間1万件以上となっており、案件数は年率5〜7%ずつ増えている」と述べる。
これらの増える案件に応えるために設備投資を検討しているところにちょうどRCJ譲渡の話があり、今回の新拠点設立につながったという。
温度サイクル・熱衝撃試験が可能に
新拠点は約630m2で、各種電子部品(IC・チップコンデンサ・リレー・基板)やユニット・材料などの各種信頼性評価試験を行う。航空・宇宙を含む高信頼性部品やロボット・FA用精密部品、半導体の環境試験などに対応する。
新導入設備としては、急速温度変化チャンバーがあり温度サイクル・熱衝撃試験が行えるようになったという。同試験は「温度の変化またはその繰り返しが部品や機器に与える影響を調べる試験。装置内に高温空気と低温空気を送り込んで、熱衝撃を与え製品が受けるストレスを模擬して安全性・耐久性を評価する」というものだ。
その他、温湿度試験、屋外環境試験、燃焼性試験、接合強度評価試験、機械環境試験、航空宇宙環境試験などに対応する50台の設備が設置されている。
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