重さ30gで厚さ13mmのセンサー一体型脳活動計測装置を開発:ウェアラブルニュース
NeUは、センサー一体型の脳活動計測装置「XB-01」を開発した。NIRSを応用し、微弱な近赤外光により脳の血流量変化を計測することで、脳の活動状態を可視化する。
NeUは2018年10月3日、NIRS(Near Infra-red Spectroscopy)を応用した、センサー一体型の脳活動計測装置「XB-01」を開発したと発表した。データをBluetoothを介してスマートフォンやタブレットに転送でき、時間や場所を選ばず脳の活動状態を計測できる。同年11月から企業向けの先行出荷を開始し、同年12月末から一般消費者向けに販売を開始する。
同装置の主な計測部位は、ヒトの思考や短期的な記憶に関連する部位の前頭前野を想定する。微弱な近赤外光により脳の血流量変化を計測することで、脳の活動状態を可視化する。サイズは80×40×13mm、重さは30g、厚さは13mmと小型、軽量、薄型で、本体が中央で折れ曲がるバタフライ型デザインを採用。日常生活のさまざまな場面で脳計測ができる。
例えば、運送ドライバーの帽子や作業現場のヘルメットに内蔵し、業務中の脳活動を可視化する。脳の負荷状態を記録・解析し、適度な休憩を促すことで事故防止や生産性向上につなげる。他に、同社が提供する「個別最適化認知トレーニング」では、前頭前野の活性化レベルをリアルタイムにモニターし、体調に合わせて前頭前野に負荷をかけ続けるプログラムを選択できる。
また同装置は、血流量の変化を計測するため、脳活動の他に心拍数のモニター機能も装備。有酸素運動時の運動負荷を定量化できるため、適度な負荷の有酸素運動と認知機能トレーニングの組み合わせをワンパッケージで提供する。
リチウムイオンバッテリーを内蔵し、約3時間の連続使用に対応。本体内に6軸加速度センサーを搭載しており、頭部の動きの検知や体動などによるノイズを検出する。脳活動の計測と複数のパラメーターを組み合わせれば、新しい計測指標の創出や精度向上が期待できるとしている。
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