乗り物の部品でできた楽器、2社の“ヤマハ”が融合する:車両デザイン
ヤマハとヤマハ発動機は、合同デザイン展「Yamaha Design Exhibition 2018 “Tracks”」(2018年10月12〜14日、六本木ヒルズ)を開催し、モビリティの部品によって構成された演奏装置「&Y(アンディ)03 eMotion Tracks」を初披露した他、両社のコンセプトモデルや製品の展示を行った。
ヤマハとヤマハ発動機は、合同デザイン展「Yamaha Design Exhibition 2018 “Tracks”」(2018年10月12〜14日、六本木ヒルズ)を開催し、モビリティの部品によって構成された演奏装置「&Y(アンディ)03 eMotion Tracks」を初披露した他、両社のコンセプトモデルや製品の展示を行った。
なお、同イベント開催初日となる10月12日はヤマハの設立日。ヤマハ発動機の設立日である7月1日を含めて、2018年から両社それぞれの設立日を「Yamaha Day」と位置付けた。Yamaha Dayの前後では両社でさまざまな活動を実施しており、同イベントもその一環として開催された。
1人の創業者から生まれた2社のヤマハ、テーマにかける意味
今回のデザイン展は、軌道を意味する「Tracks(トラックス)」が展示コンセプトとなった。レーストラックやサウンドトラックなど、モビリティや音楽の世界で広く使われる単語で、今回の展示では両社が思い描くトラックスを重ね合わせ理想の時間やシーンを表現したという。
そのコンセプトを体現したものが、今回初めてのお披露目となった&Y03だ。バイクや自転車のホイール、ボートの舵輪(だりん)など、さまざまなモビリティで用いる円形の部品が演奏者とのインタフェースとなり、演奏者がそれらを回転させることで音を奏でる。回転の速さや向きによって、足元に設置されたスピーカーより発される電子音の音量や音色が変化する。
&Y03は、全ての部品をヤマハ、ヤマハ発動機の製品で構成しており、「足元に設置しているスピーカーのグリルは空冷エンジンのフィンをモチーフとした。演奏時の回転はバイクのABSユニットでセンシングし、得られたデータを(音楽の演奏情報である)MIDIデータに変換している」(ヤマハ発動機担当者)という。
メディアや関係者向けのプレイベントでは、&Y03と東京モーターショー 2017で発表されたパーソナルモビリティ「MOTOROiD」、そして自動演奏ピアノ、ドラムが共演するデモンストレーションも披露していた。
同イベントを企画したヤマハ発動機 デザイン本部 本部長の長屋明浩氏とヤマハ デザイン研究所 所長の川田学氏は、プレイベントで行われたトークセッションでイベント企画の逸話を披露。今回のイベントテーマである「Tracks(トラックス)」がヤマハ創業者である山葉寅楠(とらくす)氏の名前をもじったものでもあるという。
長屋氏は、「合同イベント展は今回で3回目。いままで『Two Yamahas, One Passion』をテーマに掲げ開催してきたが、もう止めにしようという思いがある。もう1Yamahaなのだから」とデザイン面を含めた両社のつながりの深さを強調し、川田氏も「2社のヤマハがコアの価値観を持ち、それぞれが互いにインスパイアし合う。山葉寅楠も(ヤマハ創業の1887年である)131年前にこう言っていたのではないか」と応じた。
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