2つのYAMAHAが音を奏でる電動車いすをデザイン、プロジェクト「&Y」始動:車両デザイン
ヤマハとヤマハ発動機は、両社のデザイン部門が1つのテーマのもと共同でデザインするプロジェクト「&Y(アンディ)」を発表。音を奏でる電動アシスト車いす「&Y01」を制作しており、NPO法人のイベントのパフォーマンスに使用される。
ヤマハとヤマハ発動機は2015年9月24日、両社のデザイン部門が1つのテーマのもと共同でデザインするプロジェクト「&Y(アンディ)」の活動に取り組んでいると発表した。&Yでは、音を奏でる電動アシスト車いす「&Y01」のコンセプトモデル3台を制作しており、同年10月3日に国連大学前広場(東京都渋谷区)、10月25日に豊洲公園(東京都江東区)で披露する。
なお、&Y01は、NPO法人であるSLOW LABEL(スローレーベル)によるイベント「SLOW MOVEMENT -The Eternal Symphony-」のパフォーマンスで使用される形で公開される。
ヤマハとヤマハ発動機は、同じ「YAMAHA」ブランドを使用する企業として「Two Yamahas, One passion」をテーマにさまざまな活動を行っている。中でも親和性が高いデザイン分野では、国際グラフィックデザインコンペティション「Graphic Design Award by Yamaha」や、デザイン部門がお互いのデザインフィールドを交換し、相互にデザイン提案をすることで両社に共通する“ヤマハらしさ”を見出すことを目的とした「project AH A MAY(プロジェクト アーメイ)」などを展開してきた(関連記事:2つの「YAMAHA」がデザイン交流する理由――両デザイン部門トップに聞く)。
今回の&Yでは、両社のデザイン部門が初めて共同でコンセプトモデルのデザインに取り組むことになる。「楽器や音響機器のデザインとモーターサイクルなどモビリティのデザインが融合し得る可能性を探り、共通する“ヤマハらしさ”を体現する作品の創出を今後も目指していく」(両社)という。
デザインイメージは「波間を思いのままに駆け抜ける白いヨット」
&Yでデザインした第1号モデルとなる&Y01は、前述した通りSLOW LABELのイベントのパフォーマンスに使用される。同イベントは、年齢、性別、国籍、障害の有無などを越えて一般公募で選ばれた15人の市民パフォーマーと、さまざまな分野のクリエイターがワークショップを重ねながら作り上げるパフォーマンスプロジェクトで、多様性と調和のメッセージを広めていくことを目的としている。
&Y01は、その中の車いすを使用したパフォーマンスに着目し、「音を奏でる車いす」をテーマに両社のデザイン部門が制作に取り組んだものとなる。
&Y01のデザインイメージは「波間を思いのままに駆け抜ける白いヨット」。白色の電動アシスト車いす「JWスウィング」は、そのアシスト機能により軽く滑らかに移動し、「思わずハミングしたくなるような高揚感」(両社)を実現している。
本体の両側には、パフォーマーの表現を拡張する薄型のパーカッションを搭載し、ドラムの胴のようなバッテリーカバーと相まって、楽器に乗るという新しい体験を生み出している。1.5mm厚の薄型・軽量、狭い指向性と音の遠達性を特徴とする「TLFスピーカー」は、ヨットの帆をイメージしており、本体と組み合わせたシルエットは「♪(8分音符)」のようにも見え、思いのままにパフォーマンスすることの楽しさを表現しているという。
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