ニュース
産業用油圧機器で不適切検査が発覚――東京計器:製造マネジメントニュース
東京計器は2018年10月5日、同社佐野工場(栃木県佐野市)で生産する一部顧客向け一般産業用油圧機器で、検査工程において不適切な対応が判明したと発表した。検査の未実施や検査成績書への不適切な記録があった。
東京計器は2018年10月5日、同社佐野工場(栃木県佐野市)で生産する一部顧客向け一般産業用油圧機器で、検査工程において不適切な対応が判明したと発表した。検査の未実施や検査成績書への不適切な記録があった。
同年8月上旬に実施した自主的な検査品質監査で疑わしい点が生まれ、その後、検査成績書が確認可能な1978年10月〜2018年7月までの約40年分の調査を実施した。さらに、同社全役員と社外弁護士などで構成する検査品質問題調査委員会を同年9月17日に設置し調査を継続していたが、疑義がおおよそ事実と確認できたことより今回の発表となった。
不適切事象の詳細は以下の通り。
- 検査の未実施:一部顧客との間で取り決めた要領による製品検査を、顧客との承諾なく変更または省略し、合否判定を実施。検査成績書に記入し顧客へ提出した。
- 不適切な検査成績書への記録:一部顧客との間で取り決めた要領による製品検査を実施したものの測定値が顧客仕様に達していない場合、仕様内に入っていたように検査成績書に記入し顧客へ提出した。
不適切事象の対象製品は、油圧弁、油圧ポンプとそれらの付属品。対象製品台数は約6000台で、対象となる顧客には報告済みとしている。なお、本件に起因する性能上、安全上の問題は現時点で確認されていないという。
今後、さらなる事実関係や発生原因を調査し、2018年内をめどに再発防止策を策定し、公表する予定。同社は、「信頼回復に向け、グループ全体の品質管理体制の抜本的な見直しと内部統制システムの一層の強化などにより再発防止に全力で努める」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 老朽化設備で乗り切るための“創意工夫”、不正と疑われずに定着
SUBARU(スバル)は2018年9月28日、東京都内で会見を開き、2017年10月から数回にわたって明らかになった完成検査の不適切な扱いに対する社外専門家による調査結果を発表した。その調査によって、既に報告書で公表している不正に加えて、燃費、排ガスの抜き取り検査とそれ他の完成検査業務で新たに複数の不適切行為が判明した。 - 1カ所だけ不正がなかった日産九州工場、分かれ目は「専門家がいたかどうか」
日産自動車は、完成検査の工程の1つである燃費と排ガスの測定において不適切な行為があったと発表した。抜き取りで燃費と排ガスの測定試験を行った2187台のうち、1171台でJC08モードで定める測定条件を満たさないまま有効な測定結果として扱ったり、測定設備の画面から測定値を一部書き換えたりしていたことが社内調査で判明した。日産自動車の九州工場を除く国内5カ所の生産拠点でこうしたことが行われていた。 - 6年間で1800億円投資、生産現場に670人増員で再出発、日産の完成検査問題
日産自動車は2018年9月26日、横浜市の本社で会見を開き、同年7月に公表した完成検査の不適切な行為について、国土交通省に報告した調査結果を説明した。日産自動車と第三者機関による調査の結果、完成検査における排ガスと燃費の抜き取り測定試験以外にも、精密車両測定検査と呼ばれる工程で、測定の未実施、測定値や試験条件の書き換えが行われていることが分かった。 - 揺らぐ日本の信頼性、三菱マテリアルも子会社2社で検査不正
三菱マテリアルは、連結子会社である三菱電線工業と三菱伸銅において、検査記録データの改ざんなど検査不正を行い、基準値に満たない製品を出荷していたことを公表した。 - JC08モードの要件を無視した927台、スバルの完成検査工程の燃費・排ガス試験で
SUBARU(スバル)は、完成検査工程で行う燃費と排ガスの抜き取り検査に関して、不適切な測定手続きが行われていたことが新たに判明したと発表した。データをさかのぼって確認できる2012年12月以降、927台で測定条件を満たさない状態で抜き打ち検査が行われていたことが明らかになった。 - 全てデータ調べたはずが残っていた、国交省がスズキに遺憾の意
国土交通省は2018年9月26日、スズキに対し、完成検査に関する不適切事案の徹底調査と、再発防止策の策定を自動車局長名で指示した。同年8月末の国土交通省の立ち入り検査を踏まえてスズキが改めて社内調査を実施したところ、新たに482台のトレースエラーがあったことが判明した。測定値や試験条件の書き換えや、データが残っていないと説明した二輪車についてもトレースエラーが見つかった。