鉄腕アトムのコミュニケーションロボットは「好奇心旺盛でおちゃめな現代っ子」:ロボット開発ニュース(2/2 ページ)
講談社は、手塚治虫氏の漫画「鉄腕アトム」の主人公・アトムをモチーフにしたコミュニケーションロボット「ATOM」の完成版を、2018年10月1日に発売する。価格(税別)は21万2900円で、同社オンラインストアの他、全国の家電量販店、百貨店のロボット売り場、NTTドコモのショッピングサイトなどで販売する。
「Raspberry Pi 3」を採用
ATOMの外形寸法は身長約44×横幅14×前後幅11cmで、重量は約1400g。可動部位は頭部2軸、腕部6軸、脚部10軸の計18軸。可動部のサーボモーターは、富士ソフトと日本電産の子会社が共同開発したものを採用した。消費電力は46.8Wで、リチウムイオン電池を用いた内蔵バッテリーの容量は18kWhとなっている。ATOMへの入出力インタフェースは、額にある92万画素のカメラ、マイク、スピーカー、瞳に組み込まれたLED、スイッチ、タッチセンサー、6軸センサーと、胸部に組み込まれた2.4型のタッチパネルである。通信機能としては、Wi-Fi(IEEE802.11 b/g/n)、Bluetooth 4.1、USB-2.0Aがある。
ATOMの回路基板構成は、ATOM自身のセンシングやモーターの制御などを行う、富士ソフトが設計した専用カスタムボードと、Wi-FiやBluetoothなどの通信機能やクラウドとの連携を担う「Raspberry Pi 3」の2枚構成である。
コミュニケーション機能の核となるAI(人工知能)は、ATOMに組み込まれている富士ソフトが担当したフロントエンジンAIと、ATOMの成長やコンテンツの拡充を担うNTTドコモのクラウドAIから構成されている。奈良原氏は「ATOMと話したいことをアンケート調査したところ『世間話』がダントツトップだった。ATOMがスマートスピーカーと異なるのは、自分から積極的にしゃべるところ。しゃべりすぎて反省するなど、完璧じゃないところもかわいらしい。好奇心旺盛で、おちゃめな現代っ子のATOMとの新しい体験をぜひ多くの人に届けたい」と強調する。
ATOMはロボット単体でもフロントエンジンAIによってさまざまな機能を実現しているが、クラウドAIとの連携により、ロボットとしての成長やさまざまなコンテンツの利用が可能になる。クラウドAIを利用するには月額1000円(税別)の「ATOMベーシックプラン」に加入する必要がある(加入から最大2カ月間は無料期間となる)。この他、修理代金を割り引く「ケアプラン50」(50%割引、月額990円(税別))「ケアプラン75」(75%割引、月額1690円(税別))も用意している。
なお、ATOMの当初の機能は、ユーザーとのコミュニケーションやコンテンツの提供にとどまる。しかし、今後の展開として、IoT(モノのインターネット)デバイスと連携したサービスの開発も想定している。「ATOMはエンターテイナーだが、今後はユーザーにさまざまな提案をする機能の開発も検討している」(富士ソフト プロダクト事業部 PALRO事業部 ロボティクス設計室 室長の藤村幸代氏)という。
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