デンソーがパイオニア孫会社を買収、FAシステムソリューション事業を強化へ:製造マネジメントニュース
デンソーは2018年9月7日、パイオニア傘下の東北パイオニアでFA事業を手掛ける東北パイオニアEGを買収すると発表した。買収金額は109億円。同年12月1日に買収を完了する予定だ。
デンソーは2018年9月7日、パイオニア傘下の東北パイオニアでFA事業を手掛ける東北パイオニアEGを買収すると発表した。買収金額は109億円。同年12月1日に買収を完了する予定だ。
東北パイオニアEGは、各種自動化生産設備のシステムインテグレーターとして、自動車関連メーカー、電気/電子機器、医療、食品、半導体、ITなど、さまざまな産業に向けて、顧客ニーズに応じたオーダーメイドのFA生産システムを提供している。デンソーとの間でも長年にわたる取引があった。本社は東北パイオニアと同じ山形県天童市にあり、従業員数は297人(2018年4月1日時点)。2017年度(2018年3月期)の売上高は124億4200万円、営業利益は19億1600万円。
デンソーは、2017年10月に策定した「2025年長期構想」において「FAシステムソリューション事業」を掲げている。同事業では、デンソーが長年の自動車部品づくりで培った工程設計や現場管理のノウハウを織り込みつつ、ロボットなどを活用した自動化工程に加え、IoT(モノのインターネット)を活用した改善支援を組み合わせることにより、FAシステムをソリューションとして新たに提供していく方針だ。
今回の買収については「世界130工場で自動化工程を導入してきたデンソーグループ内における経験と、FA生産システムを提供してきた東北パイオニアEGの産業全般にわたる実績は高い親和性がある」(デンソー)としている。20年来の取引がある両社がさらなる協力関係を模索する中で、デンソーが東北パイオニアEGを買収することにより、さらに緊密な協業を進めていく構えだ。
なお、パイオニアは、東北パイオニアEGの株式譲渡により、2018年度(2019年3月期)連結決算で約33億円の売却益を特別利益として計上する。パイオニアは2018年度第1四半期決算で損失が大幅に増大するなど厳しい経営状況にある※)。
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