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トヨタも興味津々、シーメンスPLMの「ジェネレーティブエンジニアリング」とは:製造IT導入事例(2/2 ページ)
シーメンスPLMソフトウェアは、プレス・アナリスト向けイベント「Siemens Industry Analyst Conference 2018」において、同社傘下のメンター・グラフィックスのワイヤハーネス設計ツール「Capital」を中核とした車載電子/電気システム開発ソリューションを、トヨタ自動車が採用することを明らかにした。
ジェネレーティブデザインを拡張した「ジェネレーティブエンジニアリング」
このトヨタ自動車との大規模契約とはどのような内容なのか。ヘミルガン氏は、アジア太平洋地域メディア向けのグループインタビューにおいて「メンターのCapitalを用いたソリューションだ。MBSEがベースになっており、9つのイニシアチブの『Generative Engineering』にも相当する」と説明する。
ここで言うジェネレーティブエンジニアリング(Generative Engineering)とは、制約条件などを基に最適な3Dモデルを自動で生成する3D CADツールの新たな機能であるジェネレーティブデザインのコンセプトをさらに拡張したものだ。
このジェネレーティブエンジニアリングの1つとして、自動運転車やコネクテッドカー、電動化などによって複雑化が急速に進む車載電子/電気システムの設計から製造、検証までのプロセスを自動化する取り組みが紹介された。Capitalに機能モデルや制約条件を入力すれば、その後のプロセスをほぼ自動で進めることが可能になるという。
メンター・グラフィックスのCapitalはワイヤハーネスの大手サプライヤーである矢崎総業などに採用されている。トヨタ自動車の採用は、大手サプライヤーとの協調を前提にしたものとみられる。
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