ヤマハ発動機が二輪車開発に「NX」と「Teamcenter」を採用:製造IT導入事例
シーメンスPLMソフトウェアは、ヤマハ発動機が二輪車の開発プロセスに3D CADツール「NX」とPLMツール「Teamcenter」を採用したと発表した【訂正あり】。
シーメンスPLMソフトウェアは2017年9月6日(米国時間)、米国ボストンで開催中のプレス・アナリスト向けイベント「Siemens Industry Analyst Conference」において、ヤマハ発動機が二輪車の開発プロセスに3D CADツール「NX」とPLMツール「Teamcenter」を採用したと発表した。
【訂正:2017年9月7日12時 初出ではタイトルに競合他社の名称が入っていましたが、シーメンスPLMソフトウェアからの申し入れにより削除します。関連する本文も訂正します。また、画像の一部についても、シーメンスPLMソフトウェアからの申し入れにより削除します。】
ヤマハ発動機は、グローバルにおける全ての二輪車の開発プロセスにNXとTeamcenterを適用していく計画だ。シーメンスグループのPLM導入におけるベストプラクティスを活用することにより、ヤマハ発動機における今回の大規模導入を短期間で完了させることができた。また今後は、NXとTeamcenterを基盤として、設計から生産までをデジタルプロセスで一貫してつなげることも可能になるという。
シーメンスPLMソフトウェア 社長兼CEOのトニー・ヘミルガン(Tony Hemmelgarn)氏は「ヤマハ発動機は、製品開発における次世代のデジタライゼーション(デジタル化)を検討した際に、シーメンスの包括的かつ統合された製品群を高く評価し、既存のソリューションから置き換える形で採用を決めた」と述べている。
また同イベントにおいてシーメンスPLMソフトウェアは、デンソーがカーエアコンの騒音試験において、デジタル設計とシミュレーション、コラボレーションを適用することにより、製品投入までの期間を従来比で3分の1に削減した事例も報告している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「デジタイゼーションではなくデジタライゼーションが重要」――シーメンス
シーメンスは同社の事業戦略とデジタライゼーションへの取り組みや有効性について、FMC、キャロウェイ、デルの例を挙げて説明した。 - シーメンスが注力する積層造形ソリューション、「パートナーとの協力を重視」
シーメンスPLMソフトウェアが同社の積層造形ソリューションについて説明。自社で製造しているガスタービンの構成部品のリードタイムを約9分の1にするなどの成果が上がっている。しかし「実用化に向けてはパートナーとの協力が必須。スタートアップ企業のつもりで、着実に展開を広げていきたい」(同社)としている。 - シーメンスが描く「クラウド製造サービス」、3つのデジタルツインも訴求
シーメンスは、ハノーバーメッセ2017において、同社が進める産業のデジタル化への取り組み「デジタルエンタープライズ」がもたらす価値について訴えた。 - シーメンスPLMがCAEツール群を1プラットフォームに統合、「Simcenter 3D」へ
シーメンスPLMソフトウェアは、同社のCAEツールを統合した3Dシミュレーションプラットフォーム「Simcenter 3D」を発表した。同年8月5日にグローバル展開を始めており、日本国内でも利用可能になっている。 - シーメンスPLM、コンバージェンスモデリングなどの予定新機能を紹介
シーメンスPLMソフトウェアは2016年6月9日に記者説明会を開催し、米国責任者がNXにおいて今後力を入れる方向や最新機能の詳細について語った。 - シーメンスPLMが描くインダストリー4.0の姿
シーメンスPLMソフトウェアはドイツの国家政策として進められているモノづくり革新「インダストリー4.0」に対する同社の取り組みについて説明。さらに「2015国際ロボット展(2015年12月2〜5日、東京ビッグサイト)」で展示するデモンストレーションの概要について明らかにした。