AIエンジンと産業IoTデータの収集、分析、可視化ソフトを連携して提供:製造ITニュース
日本サイトラインシステムズは、NECのAIエンジン「インバリアント分析」と連携した産業IoTデータの収集、分析、可視化ソフトウェア「Sightline EDM」の提供を開始した。
日本サイトラインシステムズは2018年8月6日、NECのAI(人工知能)エンジン「インバリアント分析」と連携した産業用IoT(IIoT)データの収集、分析、可視化ソフトウェア「Sightline EDM(Enterprise Data Manager)」の提供を開始した。価格は、Sightline EDMの年間利用料金が372万円から(税別)、インバリアント分析連携は問い合わせによる。今後3年間で10システム案件以上の販売を目標としている。
インバリアント分析は、NECのAI技術群「NEC the WISE」の1つで、収集されるデータからシステムの振る舞いを学習、監視し、平常時と異なる挙動を自動的に検知する。電力プラントへの異常予兆検知をはじめ、製造業、石油化学業のプラント故障予兆などで累計300件以上の検証実績がある。
Sightline EDMは、データをリアルタイムで収集、蓄積、分析し、多様な表現方法で可視化できるソフトウェア。数千台以上のシステムから、各種OS、VMwareなどの仮想環境、AWSなどのクラウドサービス、JavaのVM(仮想マシン)や、Javaをベースとしたアプリケーションサーバなど、モニタリング対象のデータを同時に収集。それらのデータを最小1ミリ秒単位で分析、管理することで、予兆検知や相関分析、根本原因分析、各種チャート表示、レポート作成、アラートマネジメントが可能になる。
今回の連携により、既存のITシステムや製造プロセスでの課題を早期発見して性能管理につなげたり、必要なリソースを早期認識できるキャパシティーマネジメントなどが可能となり、ITシステムや工場のライフサイクルを効率化する。
なお、NECでは今後、今回と同様に他社製品がNECのAIエンジンと連携できることを検証し、認定する制度を用意する予定だ。
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