KDDI、高精度地図のアイサンテクノロジーに6億円出資:製造マネジメントニュース
アイサンテクノロジーは2018年8月28日、KDDIと資本業務提携を結んだと発表した。両社で遠隔制御型自動運転システムに必要な高精度地図や高速通信網の開発を強化する。アイサンテクノロジーはKDDIから約6億7000万円を調達し、自動運転システム関連の事業推進費用に充てる。アイサンテクノロジーに対するKDDIの出資比率は5%となる。
アイサンテクノロジーは2018年8月28日、KDDIと資本業務提携を結んだと発表した。両社で遠隔制御型自動運転システムに必要な高精度地図や高速通信網の開発を強化する。アイサンテクノロジーはKDDIから約6億7000万円を調達し、自動運転システム関連の事業推進費用に充てる。アイサンテクノロジーに対するKDDIの出資比率は5%となる。
アイサンテクノロジーは測量用ソフトウェアの開発、販売を手掛ける中で、測量技術を発展させて自動運転車向けの高精度地図の作製に乗り出した。準天頂衛星測位システムや、高精度地図の作成に必要な道路の構造や白線などを点群情報で収集するモービルマッピングシステムの活用も進めている。自動運転車に関するさまざまな実証実験にも参加しており、2018年度は遠隔制御型の自動運転車を同時に複数台走らせる実証実験にも取り組んでいる。
業務提携により、遠隔制御型自動運転システムに必要な高精度地図の構築と高速通信網を活用した遠隔制御技術の実用化に向けた開発を加速させる。具体的な協業内容としては、通信モジュールやセンサーなどを搭載して自動走行が可能な移動交通手段とその制御ソフトウェアの開発を挙げる。また、自動運転車の運行管理や遠隔監視に必要な大容量データの送受信や遠隔制御を行うための低遅延ネットワークの構築に向けた技術検証も行うとしている。
KDDIが出資した約6億7000万円は、自動運転の実験車両の追加導入や遠隔監視システムなどの追加開発、エンジニアの拡充などに充てる。
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