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インダストリー4.0に準じたラージエンクロージャー生産設備を建設:工場ニュース
リタールは、新たなラージエンクロージャーの生産設備を建設中だと発表した。インダストリー4.0に準じたグローバル生産を可能にするため、既存の工場設備を稼働させつつ、デジタル化や完全自動化への転換を進める。
リタールは2018年7月9日、Rittershausen工場に新たな生産設備を建設中だと発表した。ラージエンクロージャーの新機種「VX25」用に、高度に自動化された生産ラインを新たに導入する。
Rittershausen工場では、既存の工場設備を稼働させつつ、デジタル化や自動化への転換が進められている。その中で、約160億円を投じて建設するのは、インダストリー4.0に準じたグローバル生産を可能にする最先端センターだ。
同工場には、マウンティングプレート用の完全自動化パネルライン、プロファイル(フレーム)成形システム、溶接システムなど、VX25向けの初期設備が既に設置されている。これに加え、2020年の完成時に導入される長さ70mの3つのプロファイルラインにより、対称性と25mmピッチパターンを備えたVX25ラージエンクロージャーシステムの水平・垂直方向のフレームセクションが1プロセスで製造可能になる。
また、VX25の新しい量産ラインには、完全に自動化された量産溶接システムで搬送や溶接を実行するロボットが31台配備される。
同社は、大型エンクロージャー製造において、世界標準の最先端設備を設立するためにインダストリー4.0時代の構造改革を開始した。Rittershausen工場の設備転換をはじめ、イタリアや中国、米国など同社の世界の工場で、デジタル化や再編成が計画されている。
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