ニュース
月間2万本のタイヤを試験するブリヂストン、無人自動運転車の導入は必然か:自動運転技術(2/2 ページ)
ブリヂストンは、ZMPと共同で、車両を用いたタイヤ性能試験の1つであるタイヤ騒音試験を無人自動運転化するため開発プロジェクトを進めている。現在はSAEが定める自動運転レベル3の段階まで進んでおり、2019年に同レベル4に相当する無人自動運転によるタイヤ騒音試験を実用化したい考えだ。
3つの課題は「バンク走行」「高速走行」「シナリオ走行」
ZMPは、さまざまな企業とともに自動運転車の開発を進めているが、ブリヂストンとの開発プロジェクトは、これまでにない課題を解決する必要があった。ZMP プラットフォーム事業部長の龍健太郎氏は「当社の自動運転車開発の取り組みは市街地での運用を前提としていることが多い。しかし、テストコースでの自動運転となると、市街地とはまた別の課題があった」と説明する。
課題は大まかに分けて3つある。1つ目は「バンク走行」だ。テストコースでは斜めに傾いたコーナー路面を走るバンク走行を行うが、そのときは車両の前方に道路が来てしまい、一般的な自動運転車のセンサーでは検知が難しくなる。そこで、コーナーの中心に「ゲートステーション」と呼ぶセンサーを設置し、そのセンサー情報を自動運転車に送信して自動運転を維持できるようにした。
2つ目は「時速100kmの高速走行」である。市街地での自動運転では時速50〜60kmで走行することが多く、ZMPにとって自動運転で安定的に高速走行することは新たなチャレンジとなった。
関連記事
- 自動運転車のタイヤに求められることとは?
ブリヂストンは、栃木県那須塩原市のブリヂストンプルービンググラウンドで報道陣向けにタイヤ技術の説明/試乗会を実施した。タイヤがセンサーとなって路面の状態を判定する技術「CAIS(カイズ)」を搭載した車両や、次世代低燃費タイヤ「ologic」、運転時の疲労を軽減する「Playz」など、強みとする安全技術を実際に体験する機会を得た。こうした技術は自動運転車向けタイヤの開発にもつながっていきそうだ。 - 「タクシー業界も自動運転受け入れて」、日の丸交通とZMPが無人運転に乗り出す
ZMPと日の丸交通は、無人運転タクシーの実用化に向けた研究会を立ち上げた。2020年に本格営業を開始する目標だ。営業スタートまでに法規制や料金体系、営業エリアについて議論を進める。両社以外にも、タクシー業界に幅広く参加を呼び掛けていく。 - フォードが車両開発に自動運転技術を採用、耐久試験の運転は人間からロボットへ
Ford Motor(フォード)は、自動運転技術によって車両の耐久試験を実施できるシステムを開発したと発表した。人間のドライバーに代わってロボットモジュールが自動運転を行うことで、耐久試験の時間や回数を増やせるようになる。ロボットモジュールによる自動運転の様子も映像で公開されている。 - 「モノ売り強者」が「コト売り」に挑戦する理由、ブリヂストンの場合
MONOist、EE Times Japan、EDN Japan、スマートジャパン、TechFactoryの、アイティメディアにおける産業向け5メディアは2018年7月12日、名古屋市内でセミナー「MONOist IoT Forum in 名古屋」を開催した。名古屋での同セミナー開催は2度目となる。 - シェア漸減を打破するブリヂストンのデジタル変革、スマート工場の確立も着々と
ブリヂストンは、モノ売りからコト売りへの移行やスマートファクトリーを中心としたデジタルトランスフォーメーション(デジタル変革)の取り組みについて説明。単純にタイヤ製品の性能を良くしていくだけでは、新興メーカーとの差別化が難しい状況にあり、顧客の困りごとを解決するソリューションプロバイダーへの移行を進めているという。 - タイヤを売らずに稼ぐタイヤメーカー、ブリヂストンが目指す変革の目的地
ダッソー・システムズの年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE FORUM JAPAN 2017」の特別講演として、タイヤメーカーであるブリヂストンがデジタル変革をテーマに講演した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.