「ここWi-Fi飛んでんな」が本当に分かる、PSSJが無線電波の可視化サービスを展開:組み込み開発ニュース
パナソニック システムソリューションズ ジャパン(PSSJ)は、ユーザーイベント「SOLUTION Japan 2018」(2018年7月11〜12日)において、IoT環境を支える無線電波の可視化サービスを出展した。2018年秋頃の商品化を計画する。
パナソニック システムソリューションズ ジャパン(PSSJ)は、ユーザーイベント「SOLUTION Japan 2018」(2018年7月11〜12日)において、IoT(モノのインターネット)環境を支える無線電波の可視化サービスを出展した。2018年秋頃の商品化を計画する。
立方体アンテナでの電波測定とシミュレーション
あらゆる産業でIoTの活用が広がる中で、課題の1つとなっているのが通信環境である。従来に比べて膨大でさまざまな機器が通信を自動的に行う中で、電波の干渉なども厳しくなっており、安定した通信環境を確保する手法などに関心が集まっている。「基地局をどう設置するべきか」や「ノイズ対策をどうするべきか」や「環境変化にどう対応するか」などさまざまな課題があるが、これらも無線電波の到達状況などを把握できなければ、対応することはできない。
そこでパナソニックでは、新たなソリューションとして「多面体アンテナ測定」や「電波詳細シミュレーション」などを組み合わせた無線電波の可視化サービスを開発した。
「多面体アンテナ測定」は、立方体形状のアンテナで、6面それぞれの面で電波を測定。さまざまな到来方向の電波を測定できるために通信環境の不安定なポイントを可視化できる。電波測定には高額な機器群でそれぞれの方向に測定する必要があったが、このアンテナであれば、その場に持っていくだけで簡単に測定可能という利点がある。
PSSJでは、これらのアンテナでの測定だけでなく、基地局設置や通信環境改善施策に直結するところまでソリューションとして提供していることが特徴である。具体的には、設置予定機器の電波暗室での測定結果や、多面体アンテナで取得した外部環境での測定情報を組み合わせた情報を基に、詳細シミュレーションを行い、最適な機器設置や改善などを提案する。
パナソニックグループの内部ノウハウを活用
このソリューションを実現できた理由として大きいのが、パナソニックグループの内部ノウハウとして既に確立していたという点である。パナソニックグループではB2BからB2Cまでさまざまな機器を展開しているが、通信に関連する機器も数多く開発している。そのため、設計開発においてこれらのシミュレーションなどを既に活用していた。「パナソニック内で培ったさまざまなノウハウの外部展開に現在積極的に取り組んでおり、無線電波の可視化サービスはその一環。今後もさまざまなソリューションを展開していく」(説明員)としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 電波シミュレーションと可視化でIoT機器の設置期間を3分の1に短縮
富士通研究所は、電波シミュレーション技術と電波干渉を可視化する技術を開発した。同技術によって、従来の3分の1程度の期間で無線機器を設置でき、IoTサービスの迅速な提供が可能になる。 - 三菱マテリアルがさいたま市にアンテナ設計の支援センターを開設
三菱マテリアルの電子材料事業カンパニーは、さいたまオフィスに「アンテナソリューションセンター」を開設した。一般企業、学術機関など幅広いユーザーに、無線通信の最適化ソリューションを提供していく。 - 工場内の動線データ管理でチョコ停削減、屋内位置情報ソリューションの利点
パナソニックは工場などの屋内の位置情報を活用するソリューションを提案。自社実践ではチョコ停削減や技術伝承への活用などに成果が出始めているという。 - 設計者CAEとは何なのか
機械メーカーで3次元CAD運用や公差設計/解析を推進する筆者から見た製造業やメカ設計の現場とは。今回は設計者CAEについて考える。 - 材力とFEMをシッカリ理解して、シッカリ解析!
小難しい有限要素法を数式を使わずに解説する。まずは有限要素法の歴史を振り返り、解析の基本的な考え方を確認。 - ソニーの深層学習はIoTデバイスの開発に最適、ノンプログラミング開発環境も提供
ソニーは、ディープラーニング(深層学習)ソフトウェア「Neural Network Libraries」とノンプログラミングで手軽に利用できる統合開発環境「Neural Network Console」をオープンソースで無償公開した。より多くの技術者への浸透を目指す。