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パートナーであり人機一体の乗り物、搭乗型知能ロボット「RidRoid」は自動変形ロボット開発ニュース(2/2 ページ)

千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター(fuRo)は、プロダクトデザイナーの山中俊治氏と共同で開発した、自動変形する搭乗型知能ロボット「RidRoid(ライドロイド)シリーズ」の1つである「CanguRo(カングーロ)」を発表した。

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「あらゆるディティールに美的感覚を織り込んだ」

 CanguRoのデザインを担当した山中氏は、コンセプトデザインだけでなく、アクティブリーン機構などを含めた機構設計も行った。「人間の体を拡張するような、ぴったりと張り付いて移動する機能、そしてコンパクトに折りたたまれて一緒に動いてモノを運べる機能を実現できるように設計を進めた。二輪車と同様に、構造自体がデザインでありスタイリングになっている。あらゆるディティールに美的感覚を織り込んだ」(山中氏)という。

「CanguRo」のライドモードの外観「CanguRo」のライドモードの外観「CanguRo」のライドモードの外観 「CanguRo」のライドモードの外観(クリックで拡大)
「CanguRo」のアクティブリーン機構「CanguRo」のアクティブリーン機構 前2輪、後1輪のリーン機構はヤマハ発動機の「LMW」やトヨタ自動車の「i-Road」などがあるが、「CanguRo」はインホイール駆動モジュールの特性を生かして、リーン機構そのものに搭乗者の足を乗せられることが特徴だ(クリックで拡大)
「CanguRo」のデザインスケッチ「CanguRo」のデザインスケッチ「CanguRo」のデザインスケッチ 山中俊治氏による「CanguRo」のデザインスケッチ(クリックで拡大) 出典:fuRo

 fuRoでは2015年3月にロボット技術を応用したパーソナルモビリティ「ILY-A(アイリー・エー)」を発表している※)。「ILY-Aを進化させたら、CanguRoという異なるものに行き着いた」(古田氏)という。

 駆動ユニットはILY-AからCanguRoで大幅な進化を遂げている。ほぼ同等の性能を持つモーターを用いながら、ILY-Aでは重量が2020gだったが、CanguRoではほぼ半分の1040gに抑えられている。古田氏は「日本トムソンと共同開発したサイクロイド減速機によって大幅な小型軽量化を実現し、インホイール化につなげられた」と説明する。

「CanguRo」の駆動ユニットの概要「ILY-A」から「CanguRo」への進化 「CanguRo」の駆動ユニットの概要(左)と「ILY-A」から「CanguRo」への進化(右)(クリックで拡大) 出典:fuRo

 RidRoidシリーズ関連の商用化は2つのステップを想定しており、1つ目はインホイール駆動ユニットになる見込み。「2020年までに市販できるように量産開発を進めたい」(古田氏)としている。2つ目のステップは、RidRoidシリーズそのもの商品化だ。古田氏は「既にいくつかの企業と話が進んでいる。しかし個人的には、インホイール駆動ユニットやscanSLMなどのハードウェアやソフトウェアの部品を組み合わせることで、RidRoidシリーズのようなコンセプトのものがたくさん社会に出てくればいいと考えている」と述べる。

「RidRoidシリーズ」の基幹モジュール
「RidRoidシリーズ」の基幹モジュール(クリックで拡大) 出典:fuRo

 さらに、CanguRoに搭載するAIの開発も別建てて進んでいる。「fuRoの姉妹的位置付けにある人工知能・ソフトウェア技術研究センター(STAIR Lab)で、シーン認識のAIを開発している。シーン認識とは、単なる画像認識ではなく“空気”や“雰囲気”を読むことであり、これによりCanguRoのオーナーが求めることを先読みできるようになる」(古田氏)としている。

 なお、CanguRoは、外務省が2018年8月15日から米国ロサンゼルスで開催する展示企画「ジャパンハウス」でデモンストレーションを行う予定だ。

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