「COMPUTEX TAIPEI 2018」の半分は組み込みからできている:COMPUTEX TAIPEI 2018レポート(前編)(3/3 ページ)
2018年6月5〜6月9日の5日間、「COMPUTEX TAIPEI 2018」が開催された。PCやモバイルの展示会として知られているが、組み込み関連の展示も多い。新たな展示企画「InnoVEX」も加えて紹介しよう。
反攻(?)のZ-Wave
2017年12月にSilicon Labsは、Sigma Desingsの持つZ-Wave Businessの買収を発表。2018年4月に買収完了を公表したことで、Z-WaveはSilicon Labsの元で展開されることになった。以前、Z-Waveについて紹介した記事では、「課題は半導体メーカーがほとんど興味を示していないこと」と説明したわけだが、図らずしもこれがSilicon Labsの買収によって(完全ではないにせよ)解決した形だ。まぁSigma DesignからSilicon Labsに供給元が変わっただけ、という気もしなくもないが。これに限らずSilicon Labsのビジネスモデルは、他の半導体メーカーと比べるとちょっと独特というか、ある種逆張りを厭わないところがあって、これはこれでいろいろ興味深いのでそのうちまとめてみたいと思うのだが、今回の話はそれではない。
IoT関連製品を展示していたメーカーというかブースはTWTC、南港(台北南港展覽館)問わず多数あったのだが、ほとんどがWi-Fi/Bluetoothベースで、たまにZigBeeがあるという程度。その中でZ-Waveを前面に押し出して(というか、Z-Waveだけで)展示を構成していたのが台湾SiMPNICだ。SiMPNICは、同じく台湾CTSの子会社というよりも、事業部門のサブブランドということらしいが、このSiMPNICブランドで快適/セキュリティ/安全の3分野に関わるZ-Wave対応製品を手掛けており(図11〜13)、多くの製品は海外向けのバリエーションが豊富に用意されているとか。
「なぜZ-Waveを?」と尋ねると、「相互運用性がきちんと担保された製品が一番多いから」という話。他の規格でも70〜80%程度は相互運用性がちゃんと取れるが、のこり20〜30%の製品の対応が大変で、(SiMPNICのような)小さな会社では対応が難しい。(Z-Waveでは)そうした問題がないのがメリット、という話であった。
ちなみにSilicon LabsによるSigma Designの買収については基本的に良いことであると考えているそうで、むしろ今後Z-Waveの市場が広がってゆくのではないか、という話であった。
今回は前編ということで、次回も引き続きCOMPUTEX TAIPEI 2018の組み込み関連の展示をレポートする。
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