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電気自動車は台湾の新産業に成り得ない? 落胆の「EV台湾」に見た光明:電気自動車(1/3 ページ)
2016年で6回目の開催を迎えた電気自動車関連の技術展示会「EV台湾」。台湾では政府が電気自動車の技術で世界一になろうと意気込んでいるが、電気自動車の普及はなかなか順調に進まない。こうした台湾の電気自動車市場について、筆者のEV台湾リポートを交えてお送りする。
台湾での電気自動車(EV)の最新動向を知るために、台北市内のワールドトレードセンターで開催された技術展示会「EV台湾」(2016年4月6日〜9日)を3年ぶりに取材した。
この時期の台北は、「モーターサイクルショー」や「オ―トパーツショー」も開催されており、アジア圏を中心に多くの自動車/二輪業界関係者が訪れている。そのなかで、「EV台湾」は、台湾政府の肝いりで2011年に始まり、2016年で6年連続開催となるスペシャルイベント。経済部(日本の経済産業省に相当)が2010年に立案した次世代車開発の政策が基点となっている。
同政策には、5つの基本項目がある。エネルギー資源の保護とCO2削減、EVに対応した地域環境の創造、国内自動車産業の再編、EV普及のための奨励金制度の確立、そしてEV関連技術で世界一になるという5つだ。
数量目標としては、EVだけで2015年までに合計6万台の完成車を製造し、1万5000台分の部品を海外に輸出するとしていた。ところが、現実は厳しい。台湾政府の台湾経済研究院の発表によれば、過去5年間のEVの製造台数は、小型乗用やバスなどさまざまな分野を含めて数千台レベルに止まっている。
こうした状況のなか、今回のEV台湾の現地取材では「がっかりしたこと」と「新しい変化に対する期待」の双方を感じた。
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