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勝てば製品化費用1億円、トヨタの下肢まひ者向け補装具の開発コンテスト医療機器ニュース

トヨタ・モビリティ基金が主催する下肢まひ者向け補装具の開発コンテスト「モビリティ・アンリミテッド・チャレンジ」は、約2カ月後の2018年8月15日に応募締め切りを迎える。モビリティ・アンリミテッド・チャレンジは開発支援資金として、上位チームに総額400万ドル(約4億4200万円)を提供する取り組みだ。

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 トヨタ・モビリティ基金が主催する下肢まひ者向け補装具の開発コンテスト「モビリティ・アンリミテッド・チャレンジ」は、約2カ月後の2018年8月15日に応募締め切りを迎える。モビリティ・アンリミテッド・チャレンジは開発支援資金として、上位チームに総額400万ドル(約4億4200万円)を提供する取り組みだ。

 応募にあたって成人であれば居住地や国籍に制限はなく、提案内容を下肢まひ者とともにプロトタイプとして制作できることが条件となる。審査基準は「イノベーション」「インサイト・インパクト」「機能性・利便性」「信頼性・安全性」「商品展開可能性・手の届く価格設定」の5つ。技術審査はピッツバーグ大学 人間工学研究所が行う。同研究所 所長のローリー・A・クーパー氏は下肢まひで、リハビリ工学や車いすなどの研究に携わっている。


トヨタ・モビリティ基金の武谷由紀氏

 モビリティ・アンリミテッド・チャレンジが求めているのは、下肢まひ者の自立した生活の支援と移動の自由に貢献するアイデアだ。具体的には、一人一人の身体状況や周辺環境を把握して対応できるスマートなモビリティ技術だという。ここでいうモビリティは「乗り物」に限らず、「身体を動かせること」まで含めた幅広い意味を持つ。「デザイン性に優れたかっこいい補装具ではなく、皆が毎日使えるものや、眼鏡のように違和感なく身に着けられるものに関するアイデアを募集している。近い将来に多くの人が使える製品の開発を支援する」(トヨタ・モビリティ基金 プログラム企画グループ プログラムゼネラルマネジャーの武谷由紀氏)。

 WHO(世界保健機関)の推定では、脳卒中や脊髄損傷、多発的硬化症などにより、世界中で毎年25〜50万人の下肢まひ者が増えている。多くの下肢まひ者に移動の困難が発生しているが、財源や介護者の確保は難しい。自立して行動するためには補装具が必要だが、「補装具の市場規模が大きくなく、商品化に必要な許認可の取得がハードルとなっていることもあり、新規参入や技術革新が起きにくい状況にある」(武谷氏)という。

 応募締め切り後、審査を経て2019年1月14日にファイナリスト5チームを発表。ファイナリストには、プロトタイプ制作支援費用として1チーム50万ドル(約5500万円)が支給される。さらに、2020年夏に発表される優勝チームは、プロトタイプの製品化のため100万ドル(約1億1000万円)を獲得する。

 これに先行して、資金的制約からモビリティ・アンリミテッド・チャレンジへの参加が難しい団体など向けに「ディスカバリーアワード」を実施。テーマは同じく下肢まひ者向け補装具で、有望なアイデアを持つ10チームに当面の活動資金として5万ドル(約550万円)を支給した。日本からは筑波大学の人工知能研究室が選ばれた。ディスカバリーアワードでは26カ国から96件の応募があったものの、日本からの応募は5件にとどまった。トヨタ・モビリティ基金では日本からの積極的な応募に期待しているという。

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