自動車メーカーのロボット市場参入が本格化、34の医療機関でリハビリ支援:ロボット開発ニュース
トヨタ自動車は、同社が開発したリハビリテーション支援用パートナーロボットの医療機関への導入を発表。34の医療機関に対して、「歩行練習アシスト」を23台、「バランス練習アシスト」を21台導入する。
トヨタ自動車は2014年12月18日、同社が開発したリハビリテーションを支援するパートナーロボットの医療機関への導入を発表した。鵜飼リハビリテーション病院(愛知県名古屋市)への導入を皮切りに、34の医療機関に対して「歩行練習アシスト」と「バランス練習アシスト」の2種類のパートナーロボットを順次導入する。導入台数は、歩行練習アシストが23台、バランス練習アシストが21台。
歩行練習アシスト
歩行練習アシストは、下肢のまひなどにより歩行が不自由な患者のリハビリテーションをサポートするロボット。まひした脚に装着して、脚を前方に振り出す動作や、膝を伸ばして体重を支える動作をサポートする。まひの回復度合いに合わせてアシストする力を変更したり、関節の角度などをモニタリングして、練習者に歩行状態を音や画像で通知することも可能となっている。
バランス練習アシスト
バランス練習アシストは、立ち乗り型の移動支援ロボット「Winglet」を利用する。Wingletに乗り、モニターを見ながら前後左右の体重移動を伴うゲームを体験することで、バランス感覚のリハビリテーションを楽しく行えるという。練習者のバランス機能の回復度合いに合わせ、練習難易度を自動的に設定する機能も備えた。
トヨタ自動車は、2007年末から藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)と共同で、今回導入する歩行練習アシストやバランス練習アシストなどの介護・医療支援向けパートナーロボットの開発を行ってきた。(関連記事:トヨタ、リハビリ向けロボットの臨床研究モデルを開発)。2011年からは医療機関の協力による実証実験を進めており、トレーニング機能の適正化や、ロボットの装着方法の簡易化といった改良に取り組んだ。
トヨタ自動車は今回の医療機関への導入で、パートナーロボットによるリハビリテーション支援の効果などを検証し、早期実用化に向けた研究開発を加速させるとしている。
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