ニュース
デジタルツインでテスト担当と解析担当が連携しやすく「Twin Builder」:CAEニュース(2/2 ページ)
アンシスは「ANSYS 19.1」製品群における新製品「Twin Builder」を発表した。同製品は包括的システムシミュレーション環境であり、「ANSYS Simplorer」がリニューアルして名称変更したもの。
Simplorer時代の事例
Simplorer時代には、米国エネルギー省による「CAEBAT」(CAE for Electric-Drive Vehicle Batteries)における、EV(電気自動車)用リチウムイオンバッテリーの検証で活用された。FluentやSCADEと連携し、バッテリー寿命の予測や最適化を実施。目標とする特性を横断し、バッテリーパックの安全性を評価した。実機検証とSimplorerの結果を比較するとよく一致していたとのことだ。
航空宇宙システムを手掛けるメギットPLCによるフライ・バイ・ワイヤ(飛行制御システム)の電力変換装置開発でも使われた。米国連邦航空局(FAA:Federal Aviation Administration)の安全規格「DO-178B/C」に対応するための開発において、SCADEと組み合わせて活用。ソフトウェアとハードウェア双方のリファクタリングを実施した。問題の早期確認が実施できると共に、開発計画全体においてコストと時間を節約できたという。顧客側の実機検証でシステム統合テストを実施した際にはエラーを検出しなかったとのことだ。航空宇宙システムは競合が多い業界であり、コストや品質、期間などでの差別化が重要であるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 汎用CAE「ANSYS 19」、複雑化した解析の手間や時間削減を目指す
アンシス・ジャパンは同社のCAEシステム「ANSYS 19」を発表。構造解析は亀裂進展解析やトポロジー最適化などの強化、流体解析は新しいモデルの追加とターボ設計機能の強化、電磁界解析は並列処理ライセンスの改定、操作性や計算速度の向上などがトピックだ。 - 複雑なシリンダブロックも境界条件入れて数秒で結果表示「Discovery Live」など販売開始
アンシス・ジャパンは同社の設計者向けCAEツール群「ANSYS Discoveryファミリー」を国内で販売開始した。そのうちの1つであるDiscovery Liveは、境界条件から計算結果表示までが数秒と高速で、かつその場でモデルの修正をしても即座に形状が修正される。 - 「SCADE R19」は検証自動化ツールを強化、Simulinkのデータ取り込みにも対応
ANSYSはモデルベース開発システム「SCADE R19」を発表。検証の自動化を支援する、閉ループテストのシナリオ記憶機能や、AUTOSARのルールチェッカーなど追加した。モデルベース開発ツールSimulinkとStateflowのデータをインポートすることも可能だ。 - いよいよ設計者CAE時代の幕開けか、アンシスが7年ぶりのDMSでアピール
アンシス・ジャパンは「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」に7年ぶりに出展し、解析初心者でも簡単に本格的な解析機能が活用可能な「ANSYS AIM」の価値を訴求した。 - 設計者CAEについて、また考え始めよう
2017年はCAE関連企業の買収が進み、設計者CAEというキーワードが再び注目されだしている。2018年も設計者CAE関連の技術の進化に注目していきたい。