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デジタルツインでテスト担当と解析担当が連携しやすく「Twin Builder」CAEニュース(1/2 ページ)

アンシスは「ANSYS 19.1」製品群における新製品「Twin Builder」を発表した。同製品は包括的システムシミュレーション環境であり、「ANSYS Simplorer」がリニューアルして名称変更したもの。

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 アンシスは2018年5月15日(現地時間)、「ANSYS 19.1」製品群における新製品「Twin Builder」を発表した。同製品は包括的システムシミュレーション環境であり、「ANSYS Simplorer」がリニューアルして名称変更したものだ。


Twin Builderの概要(出典:アンシス・ジャパン)

Twin Builderのマルチドメインシステム(出典:アンシス・ジャパン)

 Twin Builderは構造解析「ANSYS Mechanical」、熱流体解析「ANSYS Fluent」、3次元電磁界解析ツール「ANSYS HFSS」、低周波磁場解析ツール「ANSYS Maxwell」などANSYS製品群のCAEデータを利用して、「Simulink」「VHDL-AMS」「Modelica」といった機械系と電気系のさまざまなモデリング言語に対応したシミュレーションを実行できる。さらにロバスト最適化のソルバーも備える。

 業種やアプリケーションに特化した0Dのライブラリ群も提供する。統合システムシミュレーション用のFMI(FunctionMockupInterface)規格のサードパーティー製品とも統合できる。

 同製品はいわゆる「デジタルツイン」によるシステム開発を実現する。デジタルツインとは、実機データとシミュレーションモデルとをネットワーク環境でつなぎ、リアルタイムで連動しながら設計開発を進めること。いわゆる産業向けIoT(IIoT)の概念の1つである。バーチャルなシミュレーション環境で実機製作前から検討を始めて問題の洗い出しを実施し、実機が完成する段階でエラーを最小限にすることが目指せる。同製品では、設計の段階に応じたシミュレーションモデルの精度をコントロールできることも特色だ。


IIoTプラットフォームでの活用(出典:アンシス・ジャパン)

 同製品は縮退モデル(ROM:Reduced-Order Model)に対応し、1Dと3Dのシミュレーションを使い分けながら、結果の精度を高めたり、計算速度を速めたりなどが可能だ。こちらはANSYSのCAE製品群の物理モデル向けの機能となる。


ROMのイメージ(出典:アンシス・ジャパン)

 今回、アップデートした機能の1つにHMIシミュレーションを挙げる。HMI側のスライドバーなど分かりやすいGUIで操作すると、それに応じてシステムモデリングやシミュレーション側の変数が自動修正されてシミュレーションできる機能を実装した。同社のモデルベース開発システム「SCADE」にも同様の機能を備えるが、Twin Builderではその機能をウィジェット感覚でシミュレーション環境に取り込めることが特色だ。この機能により、実機テストを実施する感覚で、システムシミュレーションができるようになり、テスト担当とシミュレーション担当との協調もしやすくなるということだ。


HMIシミュレーション(出典:アンシス・ジャパン)

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