三菱自動車が営業利益19倍で黒字転換、2018年度は新型車3車種を展開:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)
三菱自動車は2018年3月期(2017年度)の決算を発表した。売上高は前期比15.0%増の2兆1923億円、営業利益は同19倍の982億円、当期純損益は前期の1985億円の損失から黒字転換して1076億円の利益を確保した。
2018年度は新モデル3車種を投入、販売台数は14%増
2017年度の販売台数は前期比19%増の110万1000台だった。三菱自動車はASEANとオセアニア地域を「主力地域」、北米と中国を「注力地域」、日本を「回復地域」と位置づけており、全ての地域で販売が増加した。ASEANは新興国専用で2017年10月に発売した新型車「エクスパンダー」の販売が好調だった。2018年4月末までに3万9000台を販売しており、インドネシアでは車種別販売ランキングで2018年3月に首位を獲得するとともに、現地のカーオブザイヤーを受賞した。エクスパンダーは2018年度からフィリピンなどASEAN各国に輸出し、販売をさらに拡大する。
世界戦略車の新モデル「エクリプス クロス」も各地域の販売台数増加に寄与した。2017年度は60カ国に出荷しており、2018年度は中国を含め92カ国に拡大する。
2018年度は新規車種の投入や既存車種の全面改良で3車種の新車を展開、前期比14%増の125万台の販売を見込む。主力地域は同12%増、注力地域が同21%増、回復地域である日本は同7%増を計画している。主力地域の1つであるインドネシアは、タイに次ぐ生産拠点として活用し、工場の能力増強を行う。インドネシアでの販売台数は前期比31.7%増の13万7000台を見込む。
注力地域である中国は、エクリプス クロスを現地生産して販売を開始する他、ディーラー網の拡充を進め、前期比23.5%増の16万8000台を目指す。また、中国では中期経営計画の最終年度である2019年度までにエンジンの現地生産や車両の生産能力拡大を予定している。また、同じく注力地域の北米では、エクリプス クロスや「アウトランダーPHEV」を導入することにより、同19%増の18万4000台を見込む。2017年度に減少したディーラーごとの販売台数を改善する施策も進める。
日本では新モデル2車種を投入(うち1車種は2019年4月から登録を開始)し、10万5000台を計画。2018年8月には2019年モデルのアウトランダーPHEVも投入する。販売金融を手がけるMMCダイヤモンドファイナンスを完全子会社化したことにより、顧客サービスの向上も図っていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 三菱自は2019年に販売台数を4割増の130万台に、設備投資や研究開発費も大幅増
三菱自動車は、2019年度を最終年度とする中期経営計画「DRIVE FOR GROWTH」を発表した。2019年度に売上高を2016年度比3割増の2兆5000億円に、販売台数は同4割増の130万台を目指す。営業利益率は2016年度の0.3%から6%以上に引き上げる目標だ。 - ルノー日産三菱が機能統合を加速「一体運用での成長を証明する」
ルノー・日産自動車・三菱自動車アライアンス(ルノー日産三菱)は、アライアンスの機能統合を加速する複数のプロジェクトを始めると発表した。新中期計画「アライアンス2022」の達成に向けた具体的な施策となる。 - 三菱自が「過ちに学ぶ研修室」を設置、不正を風化させない社員研修に
三菱自動車は、愛知県岡崎市の技術センターに社員研修施設「過ちに学ぶ研修室」を開設した。 - クルマづくり100周年の三菱自動車、「e-EVOLUTIONコンセプト」で新しい価値示す
三菱自動車は「第45回東京モーターショー 2017」において、新世代ハイパフォーマンスEV(電気自動車)のコンセプトカー「MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT(e-EVOLUTIONコンセプト)」を初公開した。 - 「OK Google、クルマのエンジンをかけて」、三菱自が2018年からスタート
三菱自動車は「第45回東京モーターショー 2017」において、スマートスピーカーの「Amazon Echo」や「Google Home」を通じてエンジンの始動やエアコンの設定、ドアの解錠・施錠を行う様子を紹介した。スマートスピーカーの普及が先行している北米で、2018年から同様のサービスを提供する。 - 三菱自動車の新型MPVは「エクスパンダー」、パジェロスポーツの力強さ引き継ぐ
三菱自動車は、「ガイキンド インドネシア国際オートショー2017」において、次世代クロスオーバーMPV(多目的車両)「エクスパンダー」を世界初披露した。インドネシア西ジャワ州の新工場で年間8万台生産する計画で、インドネシアでは2017年秋から、ASEANなど一部地域に2018年初春から出荷する。 - ジャカルタ市内は世界最悪の渋滞、公共交通の拡充が急務に
インドネシアの首都ジャカルタは、人口1000万人を超える世界有数の大都市。しかし公共交通機関の整備はまだまだこれからということで、急増する自家用車があふれて混沌(こんとん)の度合いを増しています。今回はそんなジャカルタと、モーターショーの開催される新開発エリア「BSDシティー」の様子を紹介しましょう。 - 「これ買ってといわれて買う親はいない」、トヨタの原価低減は親子関係に通ず
トヨタ自動車は2019年3月期(2018年度)の業績見通しを発表した。売上高は前期比1.3%減の29兆円、営業利益は同4.2%減の2兆3000億円、当期純利益は同15.0%減の2兆1200億円で2期ぶりの減収減益を見込む。