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「これ買ってといわれて買う親はいない」、トヨタの原価低減は親子関係に通ず製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

トヨタ自動車は2019年3月期(2018年度)の業績見通しを発表した。売上高は前期比1.3%減の29兆円、営業利益は同4.2%減の2兆3000億円、当期純利益は同15.0%減の2兆1200億円で2期ぶりの減収減益を見込む。

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 トヨタ自動車は2018年5月9日、東京都内で会見を開き、2019年3月期(2018年度)の業績見通しを発表した。売上高は前期比1.3%減の29兆円、営業利益は同4.2%減の2兆3000億円、当期純利益は同15.0%減の2兆1200億円で2期ぶりの減収減益を見込む。この見通しについて、トヨタ自動車 副社長の小林耕士氏は「原価低減の成果を多めに見積もり、少し欲張った数字」と説明した。

 連結販売台数の2018年度の見通しは、前期比1万4000台減の895万台だ。タイなどアジアで販売拡大を見込む一方で、中近東や新車投入効果が一巡した日本で台数が減少する。営業利益は、原価改善や品質関連費用の減少により為替を除いて1300億円の増加要因があるものの、業績見通しの前提となる為替レートを円高に見直した為替変動の影響が大きく前期比で998億円の減少を見込む。


2018年度の業績見通しの増減要因(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

 2018年度の研究開発費と設備投資はそれぞれ前年度から増やす。研究開発費は前期比1.5%増の1兆800億円で売上高比率3%台を維持する。設備投資は日本と欧州で増加するため同5.2%増の1兆3700億円を計画する。日本は、クルマづくりの構造改革「TNGA(Toyota New Global Architecture)」に対応した設備の切り替えに、欧州では販売が好調なハイブリッド車の生産に充てる。

 2018年3月期(2017年度)の業績は、売上高が前期比6.5%増の29兆3795億円、営業利益が同20.3%増の2兆3998億円、当期純利益が同36.2%増の2兆4939億円で、2期ぶりの増収増益だった。営業利益は為替影響を除くと1250億円のプラスを達成した。北米の販売諸費用増加などで1000億円のマイナスだったが、原価改善で1650億円、品質関連費用など諸経費の減少で600億円を積み上げた。トヨタ自動車 社長の豊田章男氏は「たゆまぬ改善という“トヨタらしさ”が現れ始めた決算だ」と総括した。

 原価改善の効果は3350億円を超えるが、販売台数が大きく伸びない中で2000億円の固定費や北米のインセンティブを補填(ほてん)する販売費用が課題となる。「為替を除いて3000億〜4000億円稼げないと為替の変動には付いていけない」(小林氏)とし、製造原価ではなく総原価の視点から原価低減を進めていく。

2017年度の営業利益の増減要因(左)。同年度の連結販売台数(右)(クリックして拡大) 出典:トヨタ自動車

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