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5分で分かるIoT時代のPLMとは5分で分かるIoT時代の製造ITツール(4)(2/2 ページ)

IoT時代を迎えて製造業のためのITツールもその役割を変えつつある。本連載では、製造ITツールのカテゴリーごとに焦点を当て、今までの役割に対して、これからの役割がどうなっていくかを解説する。第4回はPLMだ。

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これからのPLMの方向性

 産業IoT(モノのインターネット)やインダストリー4.0などの変革の概念、ビッグデータ解析や人工知能などの革新技術によって、PLMも大きく変わろうとしています。また、生産現場のネットワーク、通常環境の無線技術、クラウド環境の進歩により、製品を作る現場、あるいは製品が使われている現場からのデータ集積、知見は爆発的に増加しています。そこから、バリューチェーン上でより良い価値を創造するためには、製品ライフサイクルの各所において、現場からのフィードバックを基に、デジタルモデルに対して有効にシミュレーションが実行される必要があります。つまり、フィードバックループが形成され着実に実行されることが重要です。

 有効にシミュレーションされるためには、製品全体のシミュレーションが可能なモデルが必要となります。部品形状観点のデジタルモデルはもとより、電子回路、ワイヤハーネスモデルなども存在しますし、製品の一部/全部の振る舞いを検討する制御モデルもその対象となります。異なる領域を組み合わせて表現する場合は1Dのシミュレーションモデルが利用されます(図2)。

図2
図2 製品(商用バス)全体のデジタルモデル(イメージ)

 また、新技術/コンセプトに基づく製品がどのくらい収益に貢献するか検討するためには、製品だけではなく生産設備/ラインのデジタルモデル化も重要です。どの既存生産設備を利用すべきか、あるいは新設しなければならないのか、既存の設備を活用するとして、どの程度の時間とコストをかけて修正すれば量産化できるのか、素早く複数案を検討するためには生産設備/ラインのデジタル化が不可欠です。

 生産現場は現場調整が多く、扱う設備の数が膨大となることもあり、最新の正しい生産デジタルモデルが定義されていることは少ないですが、最近の3Dスキャン技術の活用により生産設備/ライン全体のデジタル化も可能になっています(図3)。それらのデジタルモデルは、工程、設備を含めた工場の構成ツリー(生産BOM)としてこれからのPLMの中核を担うと考えられています。

図3
図3 工場のデジタルモデル例 出典:シーメンス


 今回はPLMを取り上げ、これまでと今後の姿について解説いたしました。次回は、製造実行システム(MES)をテーマにしたいと思います。

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